清水吉典の父親、吉綱は、東都大学病院の院長と会っていた。
私の希望は、わかっているよね?
伜を教授にしたい親心を理解して貰いたい。
私は、元、厚生労働大臣。何が言いたいかわかっているね。
清水さん、貴方の息子さんは優秀です。
さらに私の口添えがあればまず大丈夫です。
その言葉を聞いて安心しました。
とりあえず、名刺代です。吉綱は、五百万渡した。
いつもすいませんね。
学長の佐々太郎は礼を言った。
次の日、早速内示が出た。外科の教授の退官と任官が発表された。
吉典は、30歳で国立大の大学病院の教授になった。