本当は、私、雅之と結婚したかったんだよね。
麗子は、寂しそうに言った。
俺だって麗子と結婚したかったよ。
身体の相性は、ばっちりだし、ルックスもプロポーションも、申し分ないからな。
麗子は、菊地桃子に間違われた事が、度々あるほどの美人でした。
私の親が、バブルの時に
調子に乗らなきゃ、雅之と結婚できたよね。
あんたは、エリートだし、家は名門だから、同じ玉の輿でも、こっちに乗りたかったな。
麗子の親は、バブルの時に景気が良かった。
会社をどんどん大きくしたが、今では、明日の生活にも困っていました。
そんな時に、融資先の銀行から、麗子に見合いの話が来ました。
相手は、医者で、家族は
大金持ちでした。
麗子は、写真を見て、この男、マザコンだな。
そう感じる優男でした。
雅之は、総合商社のエリートで、親は、バブルを乗り切った、先見性のある人で平均株価が、三万台になった日に、持ち株を全て売却して、後は、株の売買から手を引きました。
周りは、勿体ないと言いましたが、平然としていました。
麗子は、雅之の家族には、好かれていました。
問題は、父親の借金と人間性でした。
あの人とは、親戚付き合いは出来ない。
雅之の父親は、言いました。
雅之も、麗子は嫁にしたいけど、父親が悪すぎる。
そう思ってました。
気が進まない縁談でしたが先方は、麗子がとても気に入ったようで、結納金で
麗子の家の借金が帳消しになるほどの莫大な金額でした。
こうなっては麗子は、嫌とは言えませんでした。
バブルが無ければな。
そう思いながら、結婚式を迎えました。
盛大な結婚式でした。
新婦の友人の席に雅之もいました。
人生は、皮肉だな、麗子の隣は、俺だったかも知れないのにな。
そう思ってました。
そして、これが最後の対面になりました。
麗子の夫、勝は、結婚するまで童貞でした。
麗子に手解きを受けて女性を知りました。
35歳で初めて女性を知り、快感を覚えた勝は、麗子に溺れて、毎夜麗子を求めました。
そして、半年後、勝は死去しました。
死因は、腎虚でした。
美貌の花嫁に精力を全て吸いとられました。
盛大な葬式でした。
人生なんて解らないな。
麗子は、そう思ってました。
バツイチになったけど、
親の借金も無くなったから今度は、雅之と結婚しようかな?
うっ
最近、やたら気持ち悪いな二日酔いみたいだ。
トイレから、出て、うがいをしていたら、背中に激痛が走りました。
息子を返せ。
勝の母親が、包丁で麗子を背中から刺しました。
麗子は、倒れました。
すぐに救急車が来ましたが出血多量で志望しました。検死の結果、麗子は妊娠3ヶ月でした。
それを聞いた勝の母親は、麗子さんに悪い事をした。警察に捕まりましたが、警察の目を盗んで、服毒自殺しました。
只一人残った勝の父親は
猟銃で自殺しました。
家、屋敷は、麗子の両親が相続しましたが、2人共に原因不明の病気で急死しました。
主を喪った家は、お化け屋敷となりました。
今でも、現存して、夜中になると、麗子のぼやき声、バブルが恨めしい。
か細い声で聞こえるそうです。
そして、赤ん坊の声がする事もあるそうです。
さらに言えば、名前以外
全て実話です。