真田殿は、此度の葬儀の焼香問題をどうみますか?
直江兼続が幸村に聞いた。幸村は、どちらも意地っ張りだから、仕方ないですが、福島殿は徳川殿に煽られてやったみたいですね。
すると、景勝が、
徳川は、太閤殿下亡き後の天下を狙っているだろう。しかし、そう簡単には取らせないぞ。
中納言様は、徳川相手に戦をなさるおつもりですか?幸村が聞くと。
かつて徳川は上田城で大敗をしておる。
あの時、わが上杉家の兵士も友軍として参戦して、そなた達の見事な籠城ぶりを見ている。
幸村、その時の借りを返せと言う訳では無いが、その時は、味方になってくれ。安芸殿の父親の刑部殿や
治部殿、宇喜多殿などが、仲間じゃ。
景勝が興奮して言うと、幸村は、加藤清正殿を仲間にしませんか?
それができれば、豊臣は纏まります。
加藤殿をですか?
直江兼続は呆気に取られたが、幸村に考えがあるようだった。
その後も会話が続けていたが、夜も遅くなったので、幸村は、引き上げた。