寂しい秋

人恋しい秋。
この言葉が、これほど身に沁みる年は、今年だろう。3月に、自分の目の前で、彼女が車に跳ねられ、死亡する瞬間を見てしまった。相手は、飲酒運転。
しかも、犯罪を犯していて執行猶予中であった。
一度止まって、確認して、逃げようとしたので、私が首根っこを掴んで、車から引き摺りだした。
救急車が来るまでが長くかんじた。
近くの交番から、警官が直ぐに来て、男を逮捕した。私は、救急車の中で彼女の手をずっと握っていた。
徐々に力が弱っているのがわかった。
結局、意識は回復せずに、翌朝、還らね人になって
しまった。
そして先月。
偉大な先輩が、癌で急死してしまった。
心の傷は、見えないけど、まだ塞がっていない気がする。
未だに彼女の夢を見る。
来年、6月の花嫁にしようと思っていただけに悔しい。
今年は、厄年だから来年にしようなんて、言わなきゃ良かった。
多分、一生後悔するだろうな。