西松事件に見る、日本のニュース・メディアの背信行為 | KNのブログ

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日本のニュース・メディアはチェック機能を果たしていない。
いや、国民に対する背信行為だろう。

外国から指摘されて多くの人に知れるとは、恥ずかしい。
西松事件で見てみよう。
まずは、5月28日付けのニューヨークタイムズに載った記事(の和訳)から。


「カナダde日本語」さん:
  5/31 小沢スキャンダル報道で、日本のメディアは権力の言いなり(NYタイムズ全文和訳)
   http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-1620.html
(引用終了)
先月、日本の大きな全国紙に比べて小さな日刊紙であるが、全国紙より政府に批判的である報道で知られている東京新聞が、小沢氏に献金した同じ会社から寄付を受け取った与党議員についての調査の記事を載せた後、3週間、東京検察官と話すのを禁止された。

東京新聞はその理由を、単に検察が公表されることを望まなかった記事を報道したことで罰されたと伝えた。「検察官に逆らうことは、最後のメディアタブーのうちの1つ」と、東京新聞の東京検察記者クラブ担当報道長官、瀬口晴義氏は言った。

「メディアがチェック機関としての行動を怠ったことが、検察が説明責任を果たさず自由に動くことを許した」と野党・社会民主党の保坂展人衆議院議員は語る。保坂議員は、今回の検察による捜査について、自身のブログで大きく取り上げている。

保坂議員は、「メディアがチェック機関としての行動を怠ったことが、検察が説明責任を果たさず自由に動くことを許した」と述べた。(東京地検は、ニューヨーク・タイムズ紙が記者クラブに属していないことを理由に、本件についての取材要請に応じなかった。)
(引用終了)


「金融そして時々山」さんが、次のような解説をされている:
  5/29 ニューヨーク・タイムズ、検察に媚びる日本の新聞を切る
   http://kitanotabibito.blog.ocn.ne.jp/kinyuu/2009/05/post_27ef.html
(引用開始)
上智大学の田島康彦教授は「ニュース・メディアは権力の監視者であるべきだが、彼らは権力の番犬のように振舞っている」と述べる。原文ではThe news media should be watchdogs on authority, but they act more like authority's guard dogs. Wachdogもguard dogも「番犬」だが向いている方向が逆だ。国民のために権力を監視するのがwatchdogで、国民の眼から権力を守るのはguard dogという訳だ。

日本のメディアが検察庁の意向にそった報道しかできない理由は「記者クラブ」制にある。検察の意向に逆らうと「記者クラブ」出入り禁止となって記事が書けなくなるからだ。ニューヨーク・タイムズによると全国紙より積極的な東京新聞は自民党の西松建設政治献金問題を報道したため、3週間の記者クラブ出入り禁止となった。何故なら検察庁はこの件を公(おおやけ)にすることを望んでいなかったからだ。
(引用終了)


そして、その東京新聞が、2009年6月2日 朝刊 の記事で重要なことを書いている。
  東京地検の谷川恒太次席検事は「パーティー券は小口化されて不特定多数に
 ばらまかれ、売る側は誰が買うか関心がない。西松に持ち込んだのは二階氏の
 秘書で、新しい波関係者は持ち込まれたことも知らなかった」と説明した。

つまり、二階氏の秘書がパーティー券を西松建設に持ち込んで購入してもらっていたのに、政治資金収支報告書には「新政治問題研究会」(新政研)など二団体の購入と記載していたのだ。
こういうのこそ、知っててやった迂回献金というのではないのか?
検察は政権のチェック役も果たさねばならない。一緒に権力や利権を守ろうとするのでは本末転倒だ。
そして、そうならないように監視するのがニュース・メディアの役目だ。


すぐに消えるかもしれないので、記事全文を転載しておく:
  二階派パー券 不起訴 西松購入『団体側、認識ない』
  (2009年6月2日 朝刊)
   http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009060202000054.html
(引用開始)
 準大手ゼネコン西松建設がダミー団体名義で、二階俊博経済産業相側のパーティー券を購入していた問題で、東京地検特捜部は一日、政治資金規正法違反容疑で告発された自民党二階派の政治団体「新しい波」と同団体元会計責任者で元国家公安委員長の泉信也参院議員らについて、嫌疑不十分で不起訴処分とした。西松側が個人献金を装い、二階氏側に事務所を事実上、無償提供していたとされる疑惑は捜査を継続する。

 同法違反容疑で告発されていた西松前社長国沢幹雄被告(70)は起訴猶予処分とした。告発した政治資金オンブズマン(大阪市)の大学教授らは処分を不服として、検察審査会に審査を申し立てる方針。

 特捜部は、告発内容の一部が今月二十日に公訴時効(三年)を迎えるため、パーティー券問題を先行処分した。東京地検の谷川恒太次席検事は「パーティー券は小口化されて不特定多数にばらまかれ、売る側は誰が買うか関心がない。西松に持ち込んだのは二階氏の秘書で、新しい波関係者は持ち込まれたことも知らなかった」と説明した。

 国沢被告については、すでに小沢一郎民主党代表代行の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反罪などで起訴しており、「新たに起訴する内容ではない」としている。

 新しい波の政治資金収支報告書によると、西松のダミー政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」は二〇〇四~〇六年、自民党二階派の政治資金パーティー券八百三十八万円分を購入。大学教授らが四月末、西松のダミー団体と知りながら、政治資金収支報告書にうその記載をしたとして告発していた。

 二階氏が会長の新しい波は「告発事件の処分結果は確認しておらず、コメントのしようがありません。政治資金については政治資金規正法に従って適正に処理しており、何ら法律上問題はないものと確信しております」としている。

◆二階氏「当然だ」

 二階俊博経済産業相は一日、東京地検が不起訴処分としたことについて「そういう結論は当然のこと」と述べた。経産相は「問題になること自体極めて納得がいかない」とぶぜんとした表情で語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。

『事務所費補てん疑惑』は継続

 東京地検特捜部が二階俊博経産相側への捜査を本格化させ、すでに二カ月経過しているが、西松建設が二階氏の政治団体の事務所費を実質的に補てんしたとされる政治資金規正法違反容疑の捜査は継続している。

 西松側が二〇〇六~〇七年、個人献金を偽装して年間三百万円、計六百万円を二階氏が支部長を務める自民党和歌山県第三選挙区支部に送金したとされる容疑だ。

 特捜部は二階氏の実弟や公設秘書らをすでに参考人聴取。二階氏の後援会を通じて別の関連政治団体に流れたとされるが、資金の流れが複雑で、二階氏側がどこまで違法性を認識していたか立証は難しいとされる。

 ただ、検察内部では、積極的に立件すべきだとの意見もあり、立件の可否をめぐっては意見が割れているという。最終的な判断は、総選挙後になるとみられる。

 一方、二階派政治団体「新しい波」と会計責任者らの不起訴処分について、告発した政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之神戸学院大法科大学院教授は「パーティー券の持ち込み先は、各議員ごとの購入者リストなどがあると考えるのが普通だ」と指摘する。

 東京地検は「パーティー券を売る側は誰が買うか関心がない」とするが、上脇教授は「西松にパーティー券を持ち込んだ二階氏の秘書も振り込みがダミー政治団体の名義であることを聞いていたはず。秘書も新しい波の事務従事者として罪を問えるのではないか」と話し、検察審査会に不起訴処分の適否について審査を申し立てる構えだ。

 これまで検察審査会の議決には法的拘束力がなかったが、「起訴相当」の議決が二回続いた場合、裁判所が選任した弁護士が強制的に起訴できるよう検察審査会法が先月二十一日改正され、審査会の判断が注目される。
(引用終了)


「上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場」さんの記事:
 6/3 西松建設にパーティ券を持ち込んだのは二階大臣秘書だった!
   http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51176722.html
もご参考に。


こんな記事を書くと、また当ブログのランキングが下がるかもしれないが、
読者の方はあまりランキングの数字を気にしないでもらいたい。
以前は5~6万番台前後だったが、時事問題を発信し続けたためか、その時よりも少しアクセス数が増えているにもかかわらず、最近は(=4月以降は)10万番台を下回ることが多いからだ。(ランキングの操作は実際にあるようだ)