またまた、新たな事実が明るみに出てきた!
日本郵政は、「かんぽの宿」を入札手続きを行って一括譲渡先を決めた、と言っているが、実際には入札では無かったのだ!
「保坂展人のどこどこ日記」さんより
2/2 かんぽの宿、「競争入札」とは「企画提案コンペ」だった
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/6f947670893c71f714f76f5ce2011d9c
(引用開始)
2月2日、午後3時より衆議院の社民党控室で日本郵政の担当者を呼んでヒアリングしたところ、ついに決定的な証言を得た。「この入札は一般競争入札ではないと認識しているが、どんな呼び方をしたらいいのか」という質問に対して、日本郵政の担当責任者は「企画提案コンペでしょうか。コンペというのは日本語で競争入札と言うんで、公募型の企画提案競争入札です」と初めて、今回の入札は一般競争入札とは異なることを認めた。さらに、企画提案の締め切りはあっても、入札日などが決まって「札入れ」が行われるものではないということも確認した。これは、当初から私がにらんでいたように、官庁で「企画随契」と呼ばれるもので公募をともなう企画競争を付したものと整理していい。
(引用終了)
それもそのはず、入札の形に出来ないのは、日本郵政側がいつでも内容の変更・打ち切りが出来るという”特別条項”を入れていたからだ! その内容は外資が作っただけあって、すさまじい。
(引用開始)
さらに、重大な証言を得た。当初、4月に公募された物件の中には「世田谷レクセンター」は入っていたということはすでに伝えた。それではいつ外れたのかと問うと、何と「11月中旬です」という答えが返ってきた。8月15日に7社が企画提案に参加し、10月31日に3社が継続して参加した企画提案の締め切り後、事後交渉で「世田谷レクセンター」は外れたというのである。これでは到底、一般競争入札とは呼べないものだ。
さらに、メリルリンチの「募集要項」には、いつでもどこでも随意に企画の変更・打ち切りが出来るという「随意条項」かある。この「随意条項」を根拠にして日本郵政は、「世田谷レクセンター」を入れるのも、外すのも自由だと主張するが、それなら最初の企画提案に参加した会社とは異なる条件で最終的な譲渡対象を決めたことになる。まさに随意契約であり、透明性と公開度は限りなく低いものとなる。
(引用終了)
ここで問題になっている、2008年4月1日付の募集要項とは、次の内容だ:
(これも「保坂展人のどこどこ日記」さんから転載させていただきます)
1/30 「かんぽの宿等譲渡リスト」から外れた世田谷レクセンター
より
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/12eec1c34016345323365f32e3d4f36f
2008年4月1日
メリルリンチ日本証券株式会社
投資銀行部門
かんぽの宿等及びかんぽの宿等を運営する宿泊事業部門のスポンサー選定に関するご案内
[該当個所を以下抜粋]
日本郵政は、本件譲渡の実行を約束するものではなく、その裁量により、いつの時点においても、理由の有無・内容を開示することなく、本プロセス及び本件譲渡を変更又は終了する権利を有し、その単独の意志により、本件譲渡の対象となる施設等の範囲を変更できるものとします。さらに、日本郵政は、理由を明示することなく、いつでも特定の第一次入札参加者又は全第一次入札参加者との交渉を停止する権利を有するものとします。また、日本郵政は、本プロセス中においても、かんぽの宿等事業に関するあらゆる決定を下す権利を有するものとします。本案件について最終契約を締結するまで、貴社の趣意書の内容が日本郵政を拘束することは如何なる意味においてもありません。
日本郵政は、本プロセスにおいて伝達した情報について、書面又は口頭の如何を問わず、随時撤回・変更する権利を有しています。また、日本郵政、メリルリンチ及びこれらの子会社・関連会社並びにこれらの会社の役員・従業員は、本プロセスにおいて提供した一切の資料及び情報等について何らの責任を負うものではなく、貴社及び日本郵政が別途合意した場合を除き、それらが書面又は口頭その他の方法かにかかわらず、その正確性、妥当性、適切性又は完全性について、明示的にも黙示的にも、何らかの表明・保証を行うものではありません。従いまして、本プロセスにおいて提供した一切の資料及び情報等の内容を信頼したことにより貴社が被った損害の賠償を日本郵政、メリルリンチ及びこれらの子会社・関連会社並びにこれらの会社の役員・従業員に請求することはできません。
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これでは、とても入札とは言えない。あとで対象範囲や、契約条件がコロコロ変わるのだから。
ちなみに、ちょっと調べてみた。
1.辞書で調べてみた。「EXCEED 英和辞典」(約12万語)でくってみると、
competition
競争(相手); 競技(会), コンクール
・・・
のあとに ”competititive” の解説があって、そこに
competitive bid 競争入札 という用例がある。
ということは、competition 単独では、「(競争)入札」という意味は
通常では無さそうだ! (bid の方に、入札の意味があるので!)
2.「EXCEED 和英辞典」 (約9万4千語)で入札に対応する英語をくってみると、
bid//bid tender//bid tendering//bidding//open tender//public bid//public bidding//tendering//tender《商業》
3.WTOの協定に、「政府調達に関する協定」というのがあって、そこに入札の言葉が出てくるので、そこでの英文がどうなっているかを調べてみた。(下線部)
第七条 入札の手続
1 各締約国は、自国の機関の入札の手続が無差別に適用され、かつ、この条から第十六条までの規定に合致することを確保する。
2 機関は、いかなる供給者に対しても、特定の調達に関する情報を競争を妨げる効果を有する方法によって与えてはならない。
3 この協定の適用上、
(a)公開入札の手続とは、関心を有するすべての供給者が入札を行うことのできる手続をいう。
(b)選択入札の手続とは、機関によって入札を行うよう招請された供給者が第十条3その他のこの協定の関連規定により入札を行うことのできる手続をいう。
(c)限定入札の手続とは、第十五条に定める場合においてのみ機関が供給者と個別に折衝する手続をいう。
Article VII Tendering Procedures
1. Each Party shall ensure that the tendering procedures of its entities are applied in a non-discriminatory manner and are consistent with the provisions contained in Articles VII through XVI.
2. Entities shall not provide to any supplier information with regard to a specific procurement in a manner which would have the effect of precluding competition.
3. For the purposes of this Agreement:
(a) Open tendering procedures are those procedures under which all interested suppliers may submit a tender.
(b) Selective tendering procedures are those procedures under which, consistent with paragraph 3 of Article X and other relevant provisions of this Agreement, those suppliers invited to do so by the entity may submit a tender.
(c) Limited tendering procedures are those procedures where the entity contacts suppliers individually, only under the conditions specified in Article XV.
入札手続きのことを、「tendering procedures」と言っており、第2項の
「competition」は単なる競争の意味で使われているようだ。国際協定に関しては、
かように複数の解釈が成り立たない・まぎれの少ない用語を使っていると思われる。
これらのことから、「コンペというのは日本語で競争入札と言うんで、・・・」という
のが、ゴマカシであることが分かる。
入札ではなく、企画提案競争=企画提案コンペ だったのだ!