竜王戦の第3局は、86手までで後手番の羽生挑戦者の勝ちとなった。
2chにあったコメントを見て、現ソフトの形勢判断能力にびっくりした。
ボナンザ3.0の検討をまとめておく
魔王新手の35手目▲79玉は少なくとも奏功はしてない。
直接の敗着は37手目の▲56歩だと思われる。
(飛車と角銀の取り合いは失敗。△49飛を打たれてから先手が良くなる順はなさ
そう。千日手をお願いするしかなかったのかも。)
渡辺竜王は3連敗だが、先手番を2度落としているので、かなり絶体絶命だ。
テニスで言えば、2ブレイク・アップの5-2でサービング・フォ・ザ・マッチというより
もサービング・フォ・ザ・マッチのゲームで40-0となった状態が近いと思う。
下図は、大勢が決まったあとの、83手目▲7二角の局面。
ここで、力強く▽6四金と上がる手が決め手になった。
後手:羽生善治 挑戦者
後手の持駒:銀、歩2
9 8 7 6 5 4 3 2 1
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│▽香│▽桂│▲飛│__│▽金│▽玉│__│▲!と│▽香│一
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│__│▲全│★角│__│__│▽銀│__│__│__│二
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▽歩│__│▽歩│▽金│▽銀│▽歩│▽桂│▽歩│▽歩│三
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│▽歩│__│__│__│__│四
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│▽歩│__│__│__│__│__│__│__│五
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│▲歩│__│__│__│__│__│__│六
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▲歩│▲歩│▲王│▲歩│__│▲歩│__│__│▲歩│七
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│▲金│__│__│▽!と│__│__│八
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▲香│▲桂│▽金│__│▽角│__│▲歩│▽竜│▲香│九
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先手:渡辺 明 竜王
先手の持駒:桂
将棋は、「読み」、「大局観・バランス感覚」、「構想力・コンビネーション」、
「受け」 がそろって強いと言える。羽生名人は全てを持っているだけでなく、
常日頃それらを磨いているが故に、他の棋士たちよりも強いのだろう。
・53手目▲5二歩に対する、▽4一玉 にそれらを感じる。
▽同金 よりも、こちらの方が紛れが少なくて確実なのだろう。
そして、その後の62手目▽5三銀打 で確実にする技術、勝負術がすごい。