王位戦の第6局は、後手番の羽生名人が勝ち、3勝3敗のタイに持ち込んだ。
これで羽生名人は、5冠! にあと1勝となった。
最終局は、9/25・26に行われ、再度振り駒により先手後手が決められる。
羽生名人の5冠復帰は、調子が良さそうなので7割位の確率だろう。
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下図は、▽4七香成から▲6七馬とさせて、自玉のコビンをにらんでいた
▲5七馬の効きをはずしたところ。
ここから▽8八銀不成、▲同玉とさせて、先手玉を穴熊から引きずり出した
あとで、118手目▽5七金と、外側から厚みのある攻めを続ける。
深浦王位は、このあと▲2六歩、▽同銀 の交換を入れたあと、▲7八銀と
粘るが、羽生名人は▽6八金からバラバラにしていく。この▽6八金の時に、
▲6九銀と飛車は取れない。▽7九銀、▲9九玉、▽6七金 で詰めろがかかり
寄り形になってしまうからだ。
後手:羽生 善治挑戦者
後手の持駒:歩5
9 8 7 6 5 4 3 2 1
┌──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐
│__│__│__│__│__│▽金│__│▽桂│▽香│一
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│__│__│__│▽歩│__│▽金│__│__│__│二
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│▽金│__│__│三
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▽歩│▽歩│__│__│__│▽歩│▽歩│▽玉│▽歩│四
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│▽桂│__│▲竜│__│__│▽桂│▽銀│__│五
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▲歩│▲銀│▽歩│__│__│__│▲歩│__│▲歩│六
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│▲歩│▽銀│▲馬│__│▽杏│__│__│__│七
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▲香│▲金│__│▲銀│__│__│__│__│__│八
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▲玉│▲桂│__│▽飛│__│__│__│__│▲香│九
└──┴──┴──┴──┬──┴──┴──┴──┴──┘
先手:深浦康市王位
先手の持駒:角、歩2
手数=115 ▲6七馬 まで
下図は、126手目▽5五角、▲6六角とお互いに角を打ち、▲1九香
と▽8四歩を取り合ってから▽5五馬と戻して王手をかけたところ。
これより羽生名人は、王手竜の筋を含みにして攻めていく。
後手:羽生 善治挑戦者
後手の持駒:銀、香、歩6
9 8 7 6 5 4 3 2 1
┌──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐
│__│__│__│__│__│▽金│__│▽桂│▽香│一
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│▽歩│__│▽金│__│__│__│二
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│▽金│__│__│三
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▽歩│▲角│__│__│__│▽歩│▽歩│▽玉│▽歩│四
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│▽桂│__│__│▽馬│__│▽桂│__│__│五
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▲歩│▲銀│▽歩│__│__│__│▲歩│▽銀│▲歩│六
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│▲歩│__│__│__│▽杏│__│__│__│七
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▲香│▲玉│▲銀│▲竜│__│__│__│__│__│八
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│▲桂│__│__│__│__│__│__│__│九
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先手:深浦康市王位
先手の持駒:飛、金、歩2
手数=130 ▽5五馬 まで
王手竜は避けられた深浦王位だったが、先手の角の頭に打った
羽生名人の142手目▽6五銀で、攻めの拠点をつくりながら
先手の角を攻め、羽生名人の攻めが続くことが決まった。
後手:羽生 善治挑戦者
後手の持駒:銀、桂、香、歩6
9 8 7 6 5 4 3 2 1
┌──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐
│__│__│__│__│__│▽金│__│▽桂│▽香│一
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│▽歩│__│▽金│__│__│__│二
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│▽金│__│__│三
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▽歩│__│__│__│__│▽歩│▽歩│▽玉│▽歩│四
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│▽銀│__│__│▽桂│__│__│五
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▲歩│__│__│▲角│__│▽馬│▲歩│▽銀│▲歩│六
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│▲歩│▲竜│__│▲歩│▽杏│__│__│__│七
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▲香│▲玉│▲銀│__│__│__│__│__│__│八
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│九
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先手:深浦康市王位
先手の持駒:飛、金、桂、歩2
手数=142 ▽6五銀 まで
でも深浦王位は、ここから▲2七歩、▽同桂成のあと、▲5五飛!
と最後の粘りを見せる。
しかし羽生名人は、▽6六銀と明快な勝ち方を選ぶ。
その後の指し手は、▲2五金、▽1三玉、▲6六竜となった所で、
▽5五馬と決めに行った。(下図)
このあと、▲同竜、▽7六桂で、最後に王手竜がかかる筋が避けられなく
なり、深浦王位が投了した。
後手:羽生 善治挑戦者
後手の持駒:飛、角、銀、桂、香、歩7
9 8 7 6 5 4 3 2 1
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│__│__│__│__│__│▽金│__│▽桂│▽香│一
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│__│__│__│▽歩│__│▽金│__│__│__│二
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│__│__│__│__│__│__│▽金│__│▽玉│三
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│▽歩│__│__│__│__│▽歩│▽歩│__│▽歩│四
├──┼──┼──┼──┬──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│▽馬│__│__│▲金│__│五
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│▲歩│__│__│▲竜│__│__│▲歩│▽銀│▲歩│六
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│__│▲歩│__│__│▲歩│▽杏│__│▽圭│__│七
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│▲香│▲玉│▲銀│__│__│__│__│__│__│八
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│__│__│__│__│__│__│__│__│__│九
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先手:深浦康市王位
先手の持駒:銀、桂、歩
手数=150 ▽5五馬 まで