読書日記 168 
「投資で一番大切な20の教え」06 ハワード・マークス リスクを識別する 
 The Most Important thing  貫井(きぬい)佳子 訳
 リスクを識別する 
 Uncommon Sense for the Thoughtful Investor

53 up 2024 01 31 (Wed)
 
リスクをコントロールするには、ますリスクを認識すること
 
91 リスクとは、将来、生じる結果についての、その好ましくない結果が生じた場合に損失が 発生フル確率についての不確かさを意味する。
 
 リスクの認識は多くの場合、投資家が過度に楽観的でリスクをないがしろにしており、 その結果としてある資産をを高すぎる価格で買っていることに気づくことから始まる。
 
92 価格が高くなりすぎて、得られるはずの潜在的リターンよりも、損失が発生する可能性が たかまったきに、リスクは生じる。このリスクに対処するには、ますそれを認しくすることだ。
 
 右肩上がりの資本市場線が示すように、潜在的なリターン の増加は追加的なリスクをとることの見返りを意味する。
 自分で「アルファー:市場に勝てる投資スキル」)を生み出せる投資家でなければ、追加リスクを取らずに追加的リターン を得ようと考えるべきでない。
 追加的ないターンを得るためには、リスク。プレミアムを要求すべきだ。。
 
・ アルファー:市場に勝てる投資スキル
・ リスク・プレミアム:リスクをとることの見返り 
 
 リスクに寛容な投資家は、
① PERの高い株式を買う
② EBITDA倍率(企業価値/支払いリスク・法人税・減価償却費控除前利益)の高い非公開企業株を買う
③ イールド・スプレッド(長期債利回り―株式益回り)が小さい債券投資に乗り出す
④ 還元利回り(不動産が生み出す純営業利益/株価)の小さい不動産に投資する。
 
信用スプレッド
 
97 1月物の米国国債利回りの金利が4%という市場を考える。
 五年物米国国債に投資するなら5%
 十年物なら6%の金利が必要だ。
 投資家は、満期の長い国債について高い利回りを求める。 満期までの期間が長くなることで、 購買力が低下するリスクが高まると懸念するからだ。
 したがって、イールドカーブ(事実上、資本市場線の一部となる)は、通常、資産の年限が長くなると 、右肩あがりの線を描く。
 
 さてここで、「信用リスク」という概念を考慮しよう。
 10年物国債の金利が6%なら、シングルA格の10年物社債は、7%以上の金利でなければ買わない。 こうして生まれるのが「信用スプレッド」という概念だ。この 投資家は、米国債から社債にのりかえるのに、100bp(ベーシス・ポイント)の金利上乗せが必要と考えて いる。投資家全体のコンセンサスが同様であれば、これが信用スプレッドとなる。
 
 100 bp = 1%.
 
 ハイイールド債(ジャンク債)には、満期が米国債よりも金利が600bpでなければ手を打さない。 投資家を引き付けるために、12%を上回る金利を提供しなければならない。
 
資本市場線
 
 縦軸にリターン、横軸にリスクを表す資本市場線を考える。
 リスクゼロの4%から、30%までの右から上がりの線を引いてください。
 そして、4%のリターンの上にMMFを、 5%のリターンの上に5年物名国債を、6%のリターンの上に10年物米国債を、 7%のリターンの上に高格付け社債を、10%のリターンの上にS&Pを、 12%のリターンの上にハイ・イールド債(ジャンク債)を、15%%のリターンの上にナスダックを、 25%のリターンの上に企業買収ファンドを、30%のリターンの上にバンチャー・キャピタル・ファンドを ドットしてください。
 この資本市場線にそって、リスクが上がる(右に移動する)ごとにリターンは上昇していることがわかる。
 2つの資産(たとえば、10年物国債と高格付け社債)のリターン(6%と7%)の差が、信用スプレッドである。
 
 価格上昇を引き起こすプロセスはやがて行き過ぎたPER,信用スプレッドの縮小、節度を欠く 投資行動、レバレッジの乱用、旺盛な投資需要。これらは一層の価格上昇とキタイリターンの低下を もたらし、高いリスク環境を生み出す。
 
103 2007年にサブプライム住宅ローン担保証券(MBS)のデフォルトが多発した。結果、 二つの投資ファンドが破産した。価格の高騰過程で、リスクが過小評価され、突然、破産する。 「潮が引いて初めて、誰が裸で泳いでいたかがわかる」(ウォーレン・バフェット)
 
105 投資リスクは、誰もがリスクがないと思われているところで最も高くなっている。
 
 つづく