お気に召すまま 92 キリスト教徒に刃向うトルコ人 訳 松岡和子 ちくま文庫 2018 05 22 (Tue)
ロザリンはフィービーの手紙を読む。そして、こでは「キリスト教徒に刃向うトルコ人」だ、という。
| ROSALIND: Come, come, you are a fool And turn'd into the extremity of love. I saw her hand: she has a leathern hand. A freestone-colour'd hand; I verily did think That her old gloves were on, but 'twas her hands: She has a huswife's hand; but that's no matter: I say she never did invent this letter; This is a man's invention and his hand. | ロザリンド: おい、おい、馬鹿だな、お前は。 恋にのぼせて頭がおかしくなったのか。俺はあの女の手を見たぞ、皮みたいな手だ。砂岩みたいな黄色っぽい手だ。てっきり、 古手袋をはめていると思ったら、むき出しだった。あれはおさんどんの手だ。だがそんなことはどうでもいい。とにかく、 あの女がこんな手紙を書くわけはない。男が考え、男の手が書いたものだ。 | |
| SILVIUS: Sure, it is hers. | シルヴィアス: ほんとに、あの娘(こ)の字です。 | |
| ROSALIND: Why, 'tis a boisterous and a cruel style. A style for-challengers; why, she defies me, Like Turk to Christian: women's gentle brain Could not drop forth such giant-rude invention Such Ethiope words, blacker in their effect Than in their countenance. Will you hear the letter? | ロザリンド: どうだ、この荒っぽくて血も涙もない書き方。喧嘩を売る口調だ。そうとも、俺に食って掛かってる。 まるで、キリスト教徒に刃向うトルコ人だね。女のやさしい頭からこんな罵詈雑言がでてくるものか、こいつはエチオピア人の 言葉だ。見せかけどころか、腹の中まで真っ黒だ。読んで聞かせようか? | |
| SILVIUS: So please you, for I never heard it yet; Yet heard too much of Phebe's cruelty. | シルヴィアス: お差し支えなければ、まだきいてないもんで。もっとも血も涙もないフィービーについちゃ嫌ってほど聞いて ますが。 | |
| ROSALIND:She Phebes me: mark how the tyrant writes. | ロザリンド:フィービー・パンチだ、いいか、暴君ヒービーはこう書いている。 |
huswife = ? おさんどん。
Like Turk to Christian まるで、キリスト教徒に刃向うトルコ人だね。
キリスト教徒に刃向うトルコ人(十字軍のイスラム軍)だとか、野蛮なエチオピア人だとか、結構、イギリス以外の 国名が出てくる。そもそも、アーデンの森そのものもフランスにあるが。この劇を楽しむ、英国の観衆にとってはこれらの国々は 常識なのかなあ?