小野不由美 『黒祠の島』 | Pの食卓

小野不由美 『黒祠の島』

本日、高校での最終授業を終え、非常勤講師としての役目は終えました。

なんだか一時代を終えたような、ほっとしたような、複雑な心境ではありますが、

今日も今日とてミステリ漬けなのです。


本日、紹介しますは 小野不由美さんの 『黒祠の島』 です。

かねてより多数の方々より勧められていたものを読了。


小野 不由美
黒祠の島

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嵐の夜、孤島で巻き起こる猟奇殺人!
本格ファンを唸らせた傑作!
●本格ミステリ3位(原書房『2002本格ミステリーベスト10』)
● 『ダ・ヴィンチ』4位(Book of The Yearミステリー部門)
 作家葛木志保(かつらぎしほ)が失跡した。パートナーの式部剛(しきぶたける)は、過去を切り捨てたような彼女の履歴を辿り「夜叉(やしゃ)島」に行き着いた。その島は明治以来の国家神道から外れた「黒祠の島」だった……。嵐の夜、神社の樹に逆さ磔にされた全裸女性の死体。さらに、島民の白い眼と非協力の下、因習に満ちた孤島連続殺人が! その真相とは? 実力派が満を持して放つ初の本格推理。
黒祠とは
 明治政府の採った祭政一致政策によって、神社は信仰の対象ではなく、国民が義務として崇拝する対象とされた。神社は国家の宗祀(そうし)として社格制度のもとに統合され、国家の施設とされた。全国の神社は位階制によって整然と編成され、行なわれる祭祀も国家の定めた様式に統一された。この統合に与(くみ)しないものは迷信として弾圧されなければならなかった。 国家神道の中にあって、黒祠とは、統合されなかった神社を言う。それは迷信の産物であり、言わば邪教である。

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邪教キター!某ゲームにて邪教の館だのガイア教徒だのメシア教徒だのにハマっていたPです。

小説内にも某ゲーム 「if」 でお世話になった悪鬼が出てきたりと、至れり尽くせり。

やっぱりインド系の神様やら悪鬼羅刹には物語性がありますね。


さて、今回の目玉でもある 「因習」 ですが、『黒祠の島』 のそれはまさに横溝的!

法律なんかあって無いようなもの、「口をはばかる」 という理由で閉ざされる事実。

理性や合理的精神の範疇を超えた話、そういうの好きです。まさに日本的!

合理的精神に基づく西洋的思想では表現できないおどろおどろしさ!良かったです。


事件の内容は凄惨の一言に尽きます。うげえ、と思いながらも好奇心から読んでしまう。

そうさせてくれる感じが因習ものの良さかと思います。

活字の字送りに馴染めず、読み始めはてこずりましたが、慣れた後は一気読み!

力強い手で引っ張られるかのような 「不可解な事件性」 と 「謎」 がありました!

以前に霧舎巧さんの 『カレイドスコープ島』 を 「横溝的」 と言い、喜んでおりましたが、

今回、『黒祠の島』 を読むことで、ちょっと 『カレイドスコープ島』 の評価が変わってきました。

「横溝的」 と 「因習テイスト」 は似ていて非なるものなのですね。


解決や結末ですが、納得いくかどうかは分かれると思います。

しかし、そこが因習ものの良さなのかもしれません。

ただ、ここまで引っ張ってくれたのだから、もう少しスリルを味わいたい気持ちは残りました。


そんな 『黒祠の島』、因習、閉鎖的な村人、孤島、そういったものにピンときたら買いです!