おすすめの本『ピアニストという蛮族たち』 買いですよ!
紹介したい本があります。
- 著者: 中村 紘子
- タイトル: ピアニストという蛮族がいる
ピアニスト、イメージでは繊細で美しく中性的な印象を抱くかもしれません。
この本の題名では『蛮族』と言ってます。
確かにある意味において蛮族説に賛成です。
名指揮者、アルトゥーロ・トスカニーニについてご存知でしょうか。
変化し続ける旋律の激流ベートーベンを得意とする彼は、恐ろしく短気で激し易い。
練習中、彼は怒ると奏者にモノを投げつける。
すると奏者たちは演奏しながら、誰かがソレを拾い、隣の人へ渡し、指揮台の上に戻される。
モノが戻るとまた投げつける、といった永久機関がここにあるのです!
トスカニーニ、猛烈なのは彼だけでは無かった。
その娘ワンダも激しさにおいて、音楽の理解力において、父に勝るとも劣らずといったところであった。
ワンダの夫である天才ホロヴィッツは、この猛烈なる二人の喧騒の中、ほそぼそと生きていたらしい。
さぞ辛かっただろうと思い、同情しております。
この本を読んだ後でホロヴィッツを聞くと、
あの流れるようなピアノの音色が違って聞こえて来るかと思います。
ホロヴィッツの他にラフマニノフ(彼の手の写真付き!)ルービンシュタインなど、
ピアノ曲ファンにはたまらない一冊かと思います。
またまだその魅力を知らない人には入門書としてお勧めです!
楽器の王ピアノを意のままに弾きこなす蛮族たち。
その魅力はこの一冊にあり!