サスペンション開発日記

サスペンション開発日記

KYBダンパー&スプリングの開発テストのレポートとレース活動の報告です!

ジムニーノマド JC74W テストしました。
 
 
 
2025年4月に待望の発売となった5ドアモデル
「ジムニーノマド」
 
ラインアップは1.5Lエンジン搭載の「FC」(5MT/4AT) 
1グレードです。
 
基本的な構造はジムニー(JB64W)&ジムニーシエラ(JB74W)の
ラダーフレームをジムニーノマド用に新作
重量増加に対して剛性を確保するための内容です。 
 
ジムニーシエラに対してホイールベースを340mm延長
車両重量が約100kg増になっている変化は
驚くほど直進安定性の向上に貢献しており
乗用車感覚で乗れる操縦安定性と言えるフィーリングですね(^_^)v 
 
 
 
乗り味的にもシエラに比べてノマドは全体的に穏やか。
シャキシャキ走る3ドアにたいして5ドアは足まわりの設定も
落ち着いたフィーリングのセッティングになっているようです。
 
3ドアとは異なり、ADASが刷新されていることや
クルーズコントロールもACCが採用されたこと
リヤフォグランプが装着されていること
乗用車としてのクオリティがだいぶ充実しています。
 
 
 
ただ、ラダーフレーム特有の揺れを感じやすい挙動や、
ボールナット式ステアリングのためステア初期応答の緩さは
これまで通りのフィーリング。 
 
ある意味、本格オフローダーならではの
ジムニー本来のポテンシャルは健在とも言えますね。。。
 
 
ということで 『NEW SR MC』 としては
これまでのジムニー&ジムニーシエラと同様
オンロード主体の普段乗りで使用されるユーザーさんに向けて
収束性とハンドリングバランスの向上、
軽快感のある走りと質感のバランスを狙っていきましょう(^^)v
 
 
まずは寸法関係のデータ取り
 
レイアウトやパーツの構成は
すべてジムニー&ジムニーシエラと同じです。
 
フロント
 
リヤ
 
 
ただ、この車自体がインド生産のため
構成パーツのサプライヤーが違っているんですね。
 
ダンパーはGabriel製
アメリカのメーカーですがこちらもインド生産品です。
 
 
 
データ取りが完了したらテスト品のチェックに入ります。
 
テスト品は 『NEW SR MC』 & 『ステアリングダンパー』
 


フロントはジムニー(JB64W)&ジムニーシエラ(JB74W)共用
リヤはジムニー用とジムニーシエラ用
ステアリングダンパーはジムニー&ジムニーシエラ共用
 
今回は既存の製品の共用可否を探ってみますww

 
まずはSET1
フロント&リヤはシエラ(JB74W)用
ステアリングダンパーはノーマル
 
フロントは低速域の減衰特性のおかげでストロークし始めの
ステア初期応答はそこそこ向上しているものの
全体的な収束性、しっかり感はややおとなしめです。
やはり車重の差でしょうか。。。
 
 
 
リヤは圧側減衰特性のおかげで
走り始めや、良路での通常速度域であれば
応答性の良さ、変化感も向上しているものの、
伸側減衰力が微増のため肝心の収束性・まとまり感はいまひとつ。
 
総じて車重の差を実感する結果でした。。。
 
 
 
続いてSET2
ステアリングダンパーを交換
 
シミー現象は緩和されており、ステアリングからの入力は
ノーマルに比べて丸みのある感触になりました!
これは正解ですねww
 
路面の状況によってはジャダーの抑制にも貢献するので
良いアイテムだと思います(^^)/


 
最後にSET3
リヤはジムニー(JB64W)用
ステアリングダンパーは交換のまま
 
リヤはSET1同様、走り始めや良路での通常速度域であれば
変化感は実感出来るのですが、
こちらは伸側減衰力が低めの設定のため収束性は不足しており
全体的な変化感は少ないフィーリング。
 
このセットは無しですね。。。
 
 
ということで、、 ジムニーノマド JC74W
 
 
 
今回の結果を踏まえメーカーさんが検討してくれると思います。
今後の展開をお待ちくださいませm(_ _)m