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不登校の子どもが増えている背景と解決策の糸口
近年、不登校の子どもが急増しており、2022年度には小中学校で約30万人、高校で約6万人に達しました。
これは、決して看過できない深刻な社会問題です。
文部科学省の定義では、年間30日以上登校していない「不登校」と、病気や経済的理由で登校できない「長期欠席者」に分けられます。
しかし、実際にはもっと多くの子供が学校生活に困難を抱えている可能性があります。
不登校増加の背景
不登校増加の背景には、様々な要因が複雑に絡み合っています。
「なんとなくだるい」「なんとなく不安」
明確な原因がなくても、心身の不調を感じて登校できないケースが近年増えています。
これは、プレッシャーの強い社会環境や、人間関係の希薄化などが影響していると考えられます。
親子関係の変化
共働き家庭の増加や、核家族化によって、親子のコミュニケーション不足や、親子の役割分担の変化などが生じています。
学校への適応困難
個性や多様性を尊重する教育が推進されている一方で、従来型の画一的な教育体制が依然として残っており、すべての子どもが学校に適応できるとは限りません。
いじめ
近年、いじめは巧妙化・隠蔽化が進み、早期発見が難しくなっています。また、SNSの普及により、いじめの被害が拡散しやすくなっています。
新型コロナウイルス感染症の影響
長期休校やオンライン授業などにより、学校生活や学習リズムが乱れたり、人間関係の希薄化が進んだりしたことが影響していると考えられます。
解決策の糸口
不登校問題は複雑で、簡単な解決策はありません。しかし、以下のような取り組みが重要と考えられます。
子どもたちの心のケアの充実
学校や地域で、カウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員し、子どもたちの心のケアに力を入れることが必要です。
親子のコミュニケーション支援
子育てに関する不安や悩みを抱える親に対して、相談窓口の設置や、子育て教室の開催など、様々な支援を提供することが必要です。
個性を尊重した教育
個性や多様性を尊重し、すべての子どもが自分のペースで学べるような教育環境を整えることが重要です。
教員の負担軽減
教員の事務作業負担を軽減し、子どもたちと向き合う時間を増やすことが必要です。
地域全体での取り組み
学校、家庭、地域が連携し、不登校の子どもたちやその家族を支える体制を構築することが重要です。
不登校の子どもを平均3週間弱で再登校に導く独自プログラムを提供する人は、「一般的にイメージされている『いじめ』による不登校は0.2％。大半は『なんとなくだるい』『なんとなく不安』という理由がはっきりしない不登校で、その背景には正しい親子関係が築きにくい社会構造上の問題がある」と指摘しています。
不登校は決して子どもたちの甘えや心の弱さではありません。
様々な要因が複雑に絡み合って起こる問題であり、解決には社会全体での取り組みが必要です。
