こんにちは。
ベースボールバイブルの東です。
あのオシム氏が引退する中村憲剛選手にアドバイスを贈っていたんですが、そのアドバイスが素晴らしかったので紹介させていただきます。
オシム氏、引退の中村憲剛へ贈る言葉…「指導者への道を進みたいというのならアドバイスがある」
元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(79)は、中村の引退に際してスポーツ報知に独占メッセージを寄せた。
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現代サッカーで必要とされるタイプの選手、それが中村憲剛だ。欧州の強豪チームも彼のような選手を求めている。サッカーをよく知っており、しかも努力家。技術面も、よく訓練されている。私が日本代表監督だった時、憲剛がもう1人いたら、もっとよいチームになっていたかもしれない。
強く印象に残っているプレーがある。アウェーのインド戦(06年10月11日、3〇0)で、すごいゴールを決めた。グラウンド状態が悪く、他の選手が思い切ってプレーするのをためらうような状況で、勝利をたぐる寄せる3点目をロングシュートで決めた。私が彼に期待していたのはシュートではなく、パスなど試合をオーガナイズすることだったので、こんなシュートも打てるのかと驚いた。
彼の最大のストロングポイントはアイデアが豊かなこと。攻撃を組み立てるプレーメーカーとして、ファンタジスタとしての能力である。私はそこを評価していた。フィジカル的には鉛筆のような細い体で、まともに当たられたら吹っ飛ばされる。もう少し筋肉があれば違ったタイプの選手になっただろうが、そうしたハンデを補うのがアイデアだった。もちろん、技術も素晴らしかった。左右両足でプレーでき、パスの正確さや闘争心も備えていた。
人間的にもしっかりしていた。先発から外れてベンチにいる時も、しっかり試合に集中し、チームは何ができていないかを考えていた。だから交代出場して、すぐに局面を変えることができた。
引退した後もサッカーに携わってほしい。指導者になることを考えているかもしれないが、プロの監督は簡単でも楽でもないことを知っておいた方がいいだろう。責任は重く、負ければ監督のせいにされる。あらゆる重荷を背負っている。
サッカーのあれこれの知識よりも、むしろ人間をよく見る能力が重要だ。他人を評価し、リスペクトする。サッカー以外のスポーツや、社会や科学のトレンドなどに視野を広げる。つねに進歩しようと努力する。人間(選手)は、時に他人を嫉妬する存在だと理解することも必要である。
それでも、監督は他と比べられない喜びがある。試合に勝った時もそうだが、それよりも練習を繰り返して、プレーがうまくいった時、また選手が成長したと感じた時だ。その時、肩の荷は少しだけ軽く感じる。
そんな大変な指導者への道を進みたいというのならアドバイスがある。オランダやイングランドなど強豪国で、トレーニングをよく見てきたらいい。日本では見られないものがある。最新のトレーニングメソッドはもちろん、戦術の基礎には「走る」ことがあると分かるだろう。トレーニングから激しい真剣勝負がある。
選手が思い切ってプレーするためには監督が怖がられていてはいけない。選手からリスペクトされる方がいい監督かもしれないが、ミスを叱ってばかりでは選手は萎縮(いしゅく)する。叱られないためにプレーするようでは、積極的なプレーや相手が驚くようなアイデアは生まれない。そういうものを現場で見て学んでほしい。(元日本代表監督)
サッカーであれ、野球であれ、指導者にとっては非常にタメになる言葉なのではないでしょうか。
ぜひ、参考にしてみてください。
では、また。