先輩がスーツやジャケットなどの高額商品を購入してもらおうと必死に接客をするのですが、お客様は商品を買うか決めかねて結論が中々出ない。
先輩は既に話す事が尽きてしまい、接客の中で壁に当たってしまったと言う状況になってしまっている。
そんな時の為に助けを求めるサインを考えたのだ。
もちろん、そのサインは藤川に送って接客をフォローして欲しいという合図で、頭をそれとなくかく動作をします。
藤川はそれを見て、さりげなくお客様と先輩の間に入ります。
お客様は、えっ何?っていう感じになります。
しかし藤川は笑顔で
『このスーツの仕入れ担当をしている藤川と申します、、、』
と言い、その時勧めている商品に合わせて特徴などの話をしていきます。
お客様は購入を決めかねている時、第三者の話をなにげに新鮮に思い聞いてくれるのです。
すると意外と簡単に決まる事が多いのです。
入り方さえ上手くいくとほぼ良い結果が出ます(^^)
おおよそ一時間以上もかけて接客していると特に疲れなどもあり、双方に何かのキッカケが必要なのです。
たまに逆の場合もありましたが、それはまれな事でした。
また、お客様はその商品の専門家からのトークは更に納得してくれるのです。
藤川はその為にもサインが送られる前に先輩が勧めている商品を確認して、その商品のセールスポイントなどをまとめておき準備しておく事が大事なポイント!
これぞプロフェショナル^_^でした。
今までなかったこのサインプレイは最高の作戦で、売上アップに大きく貢献出来ました。
また、他店にもこのサインプレイ作戦は広まりそのやり方も藤川が教える事になったのでした。
この頃から天才セールスマンと言われるようになった。
しかし、藤川は絶対に全店でトップの売上を上げる事しか興味がなかったのです。
その中で素直に新人の藤川から学んだ先輩達の売上の上昇は凄いものがありました。
そして、殆どの先輩達が異動した中、藤川は三年間異動もなく横須賀店に在籍していた。
それは毎年のように代わって入って来た新しい店長が、藤川だけは異動させなかったのです。
みんな自分の成績!のために。
それでも藤川は黙々と接客技術の向上を常に考えていた。