新聞配達のバイトをすることは決めていたのですが、
(中学1年の自分に出来るかなぁ?)
とか、
(朝早く起きてバイトをしてからの学校は大丈夫かなぁ⁇)
と、1週間悩みました。
しかし、藤川家の貧乏生活と母に借金してしまったことを考えると
《よし!頑張るかぁ!》
と、決意しました(^^)
-週明け-
放課後に新聞販売店へ行きました。
悩んでいたことはキッパリ切り替えた。
そして、よし今日から!とやる気マンマンになっていた。
販売店に行き、譲二が来たことを店主に伝えてもらいました。
少し待っていると、
「おぅ!来てくれたんだね、
配達は明日からだから、朝の3時に遅刻しないで来てくれるかぁ」と。
今日から仕事と思っていたので、そう言われて、ちょっと拍子抜けしてしまった。
今日からではなく、明日から始めると思うと、またプレッシャーを感じてきた。
明朝の3時に行くには、2時に起きて2時半に家を出れば間に合うかな?などを考えると、また不安に。
更にビジネス?の時間を守る為には、まず2時に起きることを照準にして最低でも20時頃には寝なければ、その為に今は15時だから16時までに家に帰り17時から宿題をして、18時からお風呂屋さんに行き19時半から遅い夕食をして20時には寝なければと十段論法(^^)を考えた。
譲二は決めるということを決めた以上、頑張って挑戦する決意をした。
家に帰り十段論法に沿って行動してみた。
その結果!
2時に起きることだけは出来ましたが。
殆どの予定はズレてしまいました。
寝た時間は22時を過ぎてしまい、4時間睡眠になった(>_<)
初日は眠さとの闘いだった。
簡単な準備を終え、2時半に家を出た。
電車もまだ動いていないし自転車もないので、深夜に1人黙々と歩いて販売店まで行きました。
12才、いつか必ず楽しい日が来ると信じて、苦しい1歩を踏み出した。
また、家を出る時に深夜なのに見送ってくれた母は、何故か申し訳なさそうな顔をして寂しそうな目をしていたことは忘れられません。
その時は思いませんでしたが、あの時はあらゆる意味でドン底の生活だったと思います。
しかし、後に100倍くらいのドン底を体験するのだが、子どもの譲二はまだ知らない。
3時前に店に到着。
店の前で店主が自転車の準備をしていて、譲二を見て
「おぅ、本当に来たなぁ!ご苦労!昨日は自転車貸すことに気がつかず悪かったね」
と、歩いて来た譲二を見て言った。
少し嬉しそうな顔をしていました。
新聞配達の仕事では、初日から来ない人が多いらしいです。
譲二自身もどうしようか悩んだので、気持ちはよく理解出来た。
店主は、譲二用に少し小さめの自転車を用意してくれました。
今後は店から家まで通勤用としても、ずーっと自転車を使っていいと聞いて嬉しかったです。
もう歩いて来なくてもいい上、夕方も自転車で家に帰れるので交通費も浮きます。
朝、暗い中で歩いて来た時、寂しさと人が誰も歩いていないので、少し怖かったので助かりました。
そして、店主から自転車の前と後ろへ新聞の積み方を教えてもらった。
まだ小さかった譲二には凄い量に感じた。
そして、いよいよ出発だ!