教育についてお題を頂きました | 司法浪人医師の別荘

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自分オリジナルの「使命」を、いい歳こいて!?真剣に探し始めた一人の変わり者の日常を綴る…ための別荘。


高校中退・不登校・留年で悩んでいる方々へ無料教育相談を行っている、NPO教育支援協会連合会からのお題です!

私は、教育を受けることは人間にとってこの地球上で他種の生物と競争して生き残っていくための「武装」を行う行為でもあると捉えています。

すなわち、とかく直接に生命存続の危機を感じることが少ない現代の日本においては意識されないことが多くなっておりますが、人間(この場合ヒトと表した方が適切でしょうか)はこの地球上に存在する生物の一種に過ぎないのですから、実際は日々他種の生物との間で絶え間なく、その種の生存・繁栄をかけて競争を余儀なくされているはずです。

そして、各々の種の生物は他の種に比べて自らが優位性を有する資質をさらに進化させる形で、その熾烈な競争を気の遠くなるような時間に渡って続け、かつ勝ち残った結果、現存するわけです。

例えば、キリンは、より長い首を有するようになることで、他の草食動物が食べられない位置の葉を食べられるようになった結果生存の可能性を高めてきました。

また、ライオン等の肉食獣である捕食者は個体の大きさを増し、顎や牙を発達させることにより自己の攻撃力を高め、狩りの方法も学んできたとされます。反対に草食動物である被食者は、長距離を継続安定的に速く走れる能力を高めることで、短時間しかトップスピードで走れない捕食者たちの追跡から逃れやすくすると共に、群れをなすことを学習しています。

種の進化は遺伝子突然変異と自然選択によってなされるという通説からは以上のような理解が妥当といえるでしょう。

されば、ヒトは他種の生物との生存競争において一体いかなる資質を磨けば、競争を勝ち残れるのか?答えは自明でしょう、脳の単位時間当たりの情報処理能力の高さ、平たく言えば「頭脳」です。

この資質以外に他種の生物に対し誇れる能力をヒトは有しているでしょうか?

おそらく、ヒトは馬やチーターはもとより、犬より速くですら走れないでしょうし、最強の格闘家もライオンに勝つことはまず不可能と言って過言ではないはずです。ギネスの最も身長の高い人の手より、キリンの口の方が最高到達点が高いことも動かないはずです。

その意味で、教育を受けることによって頭脳を鍛える動機付けが鈍るということは、それをしなければ生存・繁栄に危機的状況を招くという意味を感じ取れなくなっているということを示すのであり、すなわち一種の「平和ボケ」と言えると思います。

しかしながら、その平和ボケをしてしまうことにも無理はないでしょう。なぜなら、ヒトは原始のころから、とにかくその頭脳を生かして己が種だけは熾烈な生存競争から可及的に無関係となるべく努力を積み重ねてきたのですから。

細菌やウイルスに対する薬の開発に成功することは、ヒトから見れば掛け値なしに好ましい事実でしょうが、本当に地球にとって細菌が死滅しヒトが生き残ることの方が、逆の現象より価値が高いと断言できるでしょうか?それを証明することは極めて困難だと思います。

従って、それは良いことなのではなく、単に細菌やウイルスに対して生存競争の上でヒトが優位に立ったという勝負の結果を示すに過ぎません。

これらと同種の勝利を積み重ねてきた結果、ヒトは他種の生物に比してけた外れに生存の危機から遠ざかることができたわけです。そしてそれは、自らに与えられた頭脳という他種に比して優れた資質を磨くことによってなし得たにも拘わらず、それによって自らの生存のための唯一の「武器」といえる頭脳を鍛える必要性を感じにくくする環境を作り上げてしまったことは、皮肉の極みといえるでしょう。

このように、必要性につき感受性の鈍ってしまった環境において高校中退・不登校・留年等の危機が増加することは、想像に難くないことと思われます。

しかし、それが危機であることはヒトが生物の一種である以上変わりません。

誰かが手助けをする必要があるでしょう。

そして、助けられた者は、自分が幸運にも手助けを受けられたことを認識し、感謝し、他の手助けを必要とする者にそれを与える活動に加わることで、「手助けの循環」を起こさねばなりません。

それが、人類をこの地球に生存・繁栄させ続ける唯一の道を支えることなのですから。

荒唐無稽に思えても、そうであるはず。

そう、私は信じています。