今回は広告紹介を省くので、気になる方は前回記事(初投稿)をチェックしていただきたい。
本題に入ろう。
私の使用している民法教材は
内田貴『民法Ⅰ~Ⅳ』
である。
まず【形式・体裁】について
1、それぞれⅠからⅣまで何度か改訂、補訂を繰り返されているが、クロスレファレンスが可能である。
例えば、民法Ⅰの総則篇における日常家事債務の取り扱いについて、基本代理権として法意を類推される条文は民法761条であるが、これは親族法の分野であって、内田先生の本で言うところの民法Ⅳの範囲だ。
そのため、民法Ⅰで、まだ出てきていない民法761条についての条文などの詳述を見たい時、(民法Ⅳ第〇章~)という形で参照先について書かれているので、非常に便利である。
2、文字は横書きである。
何を当たり前のことを、と思われる方もいらっしゃるだろうが、法律学の初学者にとって結構これは大切なことであると思う。
私見だが、横書きと縦書きではやはり、見やすさが違うと思うし、それゆえ、とっつきやすさも変わってくると思う。
今度ご紹介するだろう、『憲法Ⅰ・Ⅱ』 野中俊彦その他著 は、完全な縦書きで、差し込みの図なども無い。
その紹介は後日することになろうが、特に初学者にとっては、縦書きの基本書は苦手な方が多いのではなかろうか。
もちろん、縦書きには縦書きの良さもあるし、事実、縦書きだとしても私は上記憲法基本書を使用している。
それはやはり、内容として他の基本書より優れていると思うからだ。
逆に横書きでも、内容がイマイチな基本書も少なくない。内容の良し悪しは決して、縦書き横書きで変わらないのだ。その点は押さえておいてもらいたい。
3、日本語表記は全て現代仮名遣い(引用文は除く)。
こちらも、そんなこと当然だ、と思われる方が大半だろうが、2005年の民法改正までは、民法で旧仮名遣いが使われていた(例えば、「~スベキコトヲ得」など)。
それはあまり関係ないことだが、昔から使われている基本書で、あまり改訂もなされていないような本は、旧仮名遣いのままであることが多く、内容の良し悪しに関わらず、非常に読みにくい。
4、基本的にケースメソッド方式で分かりやすい。
ケースメソッド方式とは、例えば例題を出して、それについての解説を加えながら民法の条文や要件などについての説明をしていく、という方式である。
例題の部分では、一応関係図なども書かれていてわかりやすくなるようにしている。
続いて【内容】について
内田先生は、基本的に自説を強く推している。
もちろん、通説・判例の立場も説明しているが、現在の通説とは言えないような自説が、そのセクションの最後の方に帰結として用いられることで、その自説が通説・判例としての解決法である、と錯覚を起こしやすい。
例えば、「通説・判例の立場としては~だが、有力説からは~のような批判がある。」「通説・判例の立場は~だが、私は~すべきであると思う。」など。
学者として自説を推す、というのは当然のことであって、自分の解釈をより多くの人に採ってもらって、通説・判例の立場にしたい、と考えるのは至極まっとうなことである。内田先生も学者であられますので、そのことは前提として頭の片隅に置いていただきたい。
もっとも、司法試験などにおいては、基本的に論理一貫性が認められれば、必ずしも通説・判例の立場で記述する必要は無い。
そして、現在のいわゆる内田説は支持者を広げつつあるし、必ずしも間違った解法であるとは言えない。
そこで初学者の方は、通説・判例の立場に加え、有力説・反対説・内田説のいずれも押さえておくことが望ましい。
以上、民法の基本書について説明してきたが、この本は内容が高度であることで有名なため、初学者の方が初見ですべてを理解するということは難しいことであると思う。
そこで、民法の入門として、潮見佳男先生の入門民法(全)など、比較的平易と思われる基本書に予め目を通しておくことをお勧めする。
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それでも内田先生の本を最初に読みたいと考えていらっしゃる方は、内容が理解できない部分があっても、そこばかりに固執せず、その部分だけ飛ばして後回しにしたほうがよい。
また、民法の判例を調べたいのであれば、有斐閣から出ている有名な『民法判例百選』を見たり、裁判所ホームページから判例を検索したりする必要がある。判例にあたるということは、判例の立場を知るだけでなく、事案の解決のための論理の流れや、どのような事実を裁判所が採用したのか、など司法試験の特に論述にあたって、重要なことを多く知ることが出来るので、なるべく有名な判例については押さえておく必要があるだろう。
裁判所ホームページから判例を調べる方法について、後日機会があればまた記事にしたい。








