外郭放水路の凄さ | フォトグラファー瀬谷正弘のブログ

外郭放水路の凄さ

しばらく前になるけど、埼玉は春日部市にある外郭放水路というところに行ってみたくなり、スケジュールなど調整していた…民放のTVなどで何度も照会されてきたらしいが残念なことに見る機会がなかったのだ。見る前からそのスケール感には驚いていたのでとても楽しみだったのだ

 何のため?というと、春日部にある中川・綾瀬川流域の埼玉県春日部市および周辺市町は、荒川・利根川・江戸川などの大河川に囲まれたお皿の底のような低い平地が広がっており、そのため中川・綾瀬川の勾配は緩やかで水が流れにくいという特徴があり、ひとたび大雨が降るとすぐには水位が下がらず、これまでしばしば浸水被害をもたらしてきたという。

このあたりは外郭放水路にHPに詳しいので参考にして欲しい。
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/index.html

 地下50mを流れる6.3kmのトンネルを通じて江戸川に流す目的で作られたというわけだ。驚くのは6.3kmの間に縦坑が5本あり、それぞれの川から取り入れるようになっている。その縦坑は直径30m高さ70mだそうで、スペースシャトルがそのまま縦に入る大きさという、実際目の当たりにするとその規模に度肝を抜かれる。危険なので見学会では残念ながら近くでは見れない。しかし、正式に取材をすればOKのようだ。

 そして写真にもあるが、調圧水槽の大きさはサッカー場ほどの大きさで地下に広がっており、高さは18mもある。まるで神殿のような風情に圧倒されていた。ただし見学会だと制限があり、少し残念だった。そのほかでは写真にもあるが、調圧水槽に溜まった水を江戸川に排出するための3台のポンプがあるが、モーターで回しているのかと思えば、そうではなくなんと!ガスタービンエンジンを使っているのには驚いた。しかも、航空ファンにはなじみの深いボーイング737に使われているエンジンを改良して使っているのだ!そのエンジンを縦方向に出力して巨大なインペラーを回し水を江戸川に放出しているのだ。実際は箱に収められており、目にすることは基本できないが、これまた取材であればOKになるだろう…

興味が尽きない外郭放水路あなどれない。日本の治水のい技術を垣間見せてもらったいい一日だった…


地下に広がるこの大きさの調圧水槽!!




ここから地下に入るのだ。ワクワク。



コントロールルーム。すべてここで調整が成される。
これまでにたしか4回稼働したことがあるとのこと。




模型の737のエンジン。インペラーまでの構造がよく分かる。
現物が見たいぞ




これが縦坑だ。その巨大さはこの写真ではむずかしいが、
とにかく圧倒される。




奥行7メートル、幅2メートル、高さ18mの柱は1本
500トンだそうだ!それが59本だからそのスケールはデカイ。




まさにパルテノンの神殿を彷彿とさせる雰囲気を
醸し出していた。




人間の大きさと比較して欲しいが分かりにくいか(笑)


使用カメラ
G12