【登場人物】

(男ひとり)僕…池袋の社員10名の弱小広告代理店に勤めるサラリーマン。「広告代理店」、「東京」というキーワードに憧れて何も知らずに上京。「女」というキーワードにめっぽう弱いが、「女」への想像力と感性はめっぽう強い。女に押されるとNOとは言えないけど、実は亭主関白に憧れている。だけど、童貞。プラトニックなアレにとことん憧れている。

(女ひとりめ)ナッつ…会社の女性上司。営業成績は毎月ダントツのNo.1。夢はベンチャー企業を立ち上げること。お金のことには超キビしい。開業資金を貯めるためなら、何でもすることに勝手に決めているらしい。一緒に住んでることは、もちろん会社には内緒。ていうか、会社では鬼。会社で話しかけたら半殺しにされそう。

(女ふたりめ)ようちん…ガールズバーで働く女の子。めちゃめちゃ悪酔いする。酔うと手がつけられないくらい悪態をつく。でも普段はかわいい。分類的にはツンデレで、僕は一番好き。

(女さんにんめ)コウちゃん…只今家出中。父親は相当の資産家らしく、金持ちであることは間違いない。人目につきたくないのか、ほとんどの場合我が家にいる。でも、掃除とか洗濯とか皿洗いとかは全部コウちゃんがやってくれる。得意料理はエビチリ。とんでもねぇ、そんなん家でつくれる子がいたのね。

(女よにんめ)カオス…不明。どこで働いているのか、んん…わからん。

(女ごにんめ)がんじ…実は男かもしれない。そして本名の可能性もありうる。しかし聞けない。おっぱいもあるし、髭を剃っているのを見たこともない。でもアレがついているような気がする。けど、やっぱり聞けない。


【登場人物が住んでるところ】

池袋の2DKマンション。サラリーマンの僕が、不動産営業ウーマンに押され、なくなく契約した賃貸物件。「将来は彼女と同棲なんかもしたいでしょ」なんて甘い想像にやられ、ひとりでは広すぎると思いながらも住むことにした。それで、確かに「同棲」は早々と実現しちゃう。ただ、女ごにんと住むことになるとは想定しておりず、いやに狭い。家賃はがんじだけ、ちょっとサポートしてくれている。






【スタートの合図】

実をいうと、僕は彼女たちの本名(ひとりをのぞく)を知らない。
ナッつ(このひとは本名:足立優香主任)、ようちん、コウ ちゃん、カオス、がんじ。
どれもあだ名だ。ナッつとようちん、コウちゃんは強制的にそう呼ばされているし、カオスは僕が無許可でそうこっそり心の中だけで呼んでる。がんじは、実は本名という噂もあるけど、やっぱり真実は聞けない。
彼女たちは、僕のことを何でも知っている。

何でかというと、6人強制参加の定例会で、さんざん酔わされ、ベロベロぐりんにされて何故か「履歴書」提出を命ぜられたからだ。彼女たちは僕をフレッシュと呼んでいる。
「履歴書」といっても、内定をもらうためのすましたものではなくて、家族構成とか、彼女はいるのかとか、友達はどのくらいいるとか、給与はどれくらい少ないかとか、夢はなんだとかを事細かに書き記した僕の「履歴論文」ともいえる代物だ。こんなの、母さんにも彼女(いると想定した場合)にも見せられない。

おいおい、何で過去の女性経験まで書いてるん だよ僕は?

おいおい、何だよ「キス3回、以上」って!
おいおい、ていうか何で僕んちに彼女たちは住みついてしまったんだろ う。


男ひとり、女ごにん。
会社には内緒です。


ついでいうと、イヤラしい話もてんでございません。なんせ、「キス3回、以上」ですから。

履歴書に嘘はないですから。


「家主は僕ですが、何 か?」

言ってみてーーーーーーーーっ!