アイザックがこのファッキン・ノーズを持てあました理由は2つある。

1つは実際的に、ノーズが長すぎるのがファッキン不便だったからである。第1に、ファストフードを食べる時にも独りでは食べられない。第2に、独りで食えば、ノーズの先が皿の中のライスへとファッキンなほどとどいてしまう。そこでアイザックは、フィアンセであるシモーヌをテーブルの向うへ座らせて、食事の間中、板で、ファッキン・ノーズを持上げていてもらうことにした。しかしこうして食事を食べるということは、持上げているシモーヌにとっても、持上げられているアイザックにとっても、決して容易なことではない。一度シモーヌの代りをした弟のケビンなんぞは、見知らぬ男をディスっている拍子に調子づき、ファッキン・ノーズをマイクと勘違いしてしまった話は、当時隣町まで知れ渡った(おかげでケビンは今ラッパーにのし上がったわけだが)。

けれどもこれはアイザックにとって、決してファッキン・ノーズを苦に病んだ主な理由ではない。アイザックは実にこのファッキン・ノーズによって傷つけられる自尊心のために苦しんだのである。


(続いてしまいます)