「ファッキン・ノーズ」

リスペクト芥川龍之介

リミックス:ヒロキ・エノ



アイザックのファッキンなノーズと言えば、N.Y.で知らないヘッズはいない。

長さは156㎝あって、上唇の上からアゴの下まで下っている。形は元も先も同じようにぶっとい。

言わば細長い腸詰めのような物が、ぶらりと顔のまん中からぶらさがっているのである。22歳を越えたアイザックは、物心ついた頃から、見習いデザイナーの職についた今日まで、内心では始終このファッキンなノーズを苦に病んで来た。もちろん表面では、今でもさほど気にならないような顔をしてすましている。

いくら見習とは言え、デザイナーという常に斬新で、注目を集める職についている身で、一種話題づくりには事欠かないから、このファッキン・ノーズこそが自分のアイデンティティであると信じて疑わなかった。

しかし、デザイナー仲間の中には、陰でこそこそとアイザックの鼻を罵っているファッキン野郎がいることも知っていた。さすがにこの鼻、いくらすました顔をしていても、気にならないと言えば嘘になる。アイザックは日常会話の中に「ファッキン」そして「ノーズ」と言う単語が出て来ると、思わず話の流を変えようと必死になるのだった。


(続けてみます)


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