カタログNo.0808

僕が載ってる。


古臭い焼き物とか、

すぐに使わなくなりそうなコップとか、

へんてこな置物とか、

カレーの詰め合わせとか、

なんとかなんとかとか、

そんなのと一緒に僕が載ってる。


「最後のほうのページだから、人気がないのかな」


写真は随分と若いころのものだ。

もう少し、最近の写真はなかっただろうか。

でも最近、写真なんて撮ったかな。



世界の名品

日本の名品



どれも似たり。

どれも似たり。

どれも似たり。


僕も同じ。


どれも似たり。

どれも似たり。

どれも似たり。


どれもどれも。



値段、を勘定してみる。


そんなもんか。


メーカー希望価格だけは飛びぬけている。


それが、カタログNo.0808



「僕」




◆今、売れてます!

◆ヒット商品!


安っぽいコピーがヘッドにならぶ。


若いころの僕が、にっこり笑う。


おいおい、あの時の僕でたたき売りか!




勢いにまかせて、僕はカタログを破り捨てる。

ほどなく、「僕」は消える。



カタログNo.0808

※この商品は、メーカーの希望により、お取り扱いがなくなりました。




新しいカタログを僕はまた取り寄せる。

カタログNo.0808


新登場!!!!!!

「僕」





カタログを閉じて、

カタログを踏み越え、

僕は歩くことにする。




このままだけど、「僕」はこのままじゃない。




勢いにまかせて、僕は歩を進める。

ほどなく、「カタログ」は消える。