先日、知人の会計士事務所さんの会報を読んでいたところ
難しくも興味深い内容がありました。



セブン-イレブン・ジャパンを率いる鈴木敏文氏は、
重要なのは、人間による”仮説と検証”です。

明日の売れ筋は何なのか、次の新たな売れ筋商品はどれなのか、
店舗ごとに現場で仮説を立て、それをもとに仕入れする。
POS(販売時点情報管理システム)が出した売り上げランキングの結果をもとに
発注するのです。

・各商品が売れた背景には何があるのか
・各消費者は何を考え、どのような行動を取った結果、販売に結びついたのか

というところまで遡って主観的に考えること。


つまり数字の背景にある「文脈」をひもとくことを日々繰り返すことで、
顧客をより正確に解釈しようとし、「ユニークな視点」を手に入れることができる
というのです。



この考え方は「コンテキスト思考」と呼ばれるそうですが
これには、三つのフレームワーク(枠組み)があります。



1.周りにある関係性
例えば現在、イトーヨーカドーのような総合スーパーの中にユニクロの店舗などが
入っていることが多くなっています。
ヨーカドーにとっては、ユニクロ店舗を上層階に置くことによって、ユニクロの
医療を求める顧客を誘引し、顧客が上層階から下層階に回遊する際に各フロアで
買い物をすることを狙っています。
ユニクロは食料品などの購入を目的として来店する顧客の集客力をイトーヨーカドーに期待しています。このように、相互に刺激し合っているということです



2.価値観
私たちの中には、それぞれに固有、曖昧模糊とした評価軸が存在しています。

例えば、本田の創業者である本田宗一郎は、技術屋である自分が、デザインなどの
未知の領域で新しい製品を考えなくてはならなかった場面で
「自分をいつわらずに、もう一度見つめ直して自分の納得できる造形をつくろう」
と振り返っていたといいます。

このぶれない「自分軸」によって、まわりからどんなに貶されても自分の納得できる。
車の供給を貫徹し、現在のブローバル市場でのポジションを取られることに
成功したと思われます。



3.目的
企業や人の進む先にも、物理的には認識できない曖昧模糊とした「目的」という
「文脈」が存在しており、私たちは「その目的」に向かって日々の行動を調和させて
まえに進んでいるというのです。

「目的」という「文脈」を能動的に洞察して理解し、それを周りと共有することで
「共感を呼び起こすことができれば、周りはリーダーと同じ視点で」同じ方向
にむ向かって能動的に働きだすようになる。

リーダーは、数字の背景にある「文脈」をひもとくことを日々繰り返すことで、
顧客をより正確にしようとつとめなければありませんなりません。



全てのことに100%の偶然は存在しないといいます。
ビジネスもそれにもれず成功も失敗も全て何かの要因が働いているはずです。
まずはそれらをかえりみて、紐解いていく「習慣」を身につけたいですね。
これからの企業の展望について、東洋的思想の観点から考える方の話を聞く機会があった。
といっても、結構前ですが。


季節の流れは経済の流れにも通じ、


冬がくれば必ず春がきて、夏が終われば必ず冬がくる。
冬至を過ぎたからといって、すぐに温かくなるわけではない。
ただ、気づかないところで春はきている。


経済もしかり、不況がくれば必ず好況がくるということである。
不況は好景気の始まりであり、逆に好景気は不況の始まりである。


1企業においても、成長期の裏には必ず何か負の要素が動き出しているということ。
それも気づかないところで。
そしていずれはっきりと目に見える形で現れる。

その時に、初めて気づき準備をはじめては遅いという事だ。



このサイクルを知っていれば、

いかなる不況でも好況を信じることができる。
どれだけの成長期にもリスクをヘッジを怠らない。


とても興味深い内容でした。



また、感謝の気持ちを持ちそれを言葉にできない人は、心が貧しい人だということ。
食材一つにおいても、目に見えない方への感謝の気持ちを持てるようになれば、
この不況を乗り切る大きな力になるということ。



この方、もちろん経営者として数字的な切り口も常にお考えの事と思います。
ただ、そんな溢れかえった話だと面白くもなんともないので良かったです。
会社のあり方として私が常に考えているのは、「貢献」です。
時に仕事はつらいものであり、多くの時間と労力をさき大切な人との時間をもそれにあてなければならない。

それは結果、クライアント様への「貢献」のため。
その対価としてお金をいただくということです。



だから私たちは、時間や労力だけではなく、自分が持つあらゆるチャンネルを使いお客様への「貢献」を考えなければならない。

それが個人としても企業としても成功への一番の近道だろう。