秀吉の朝鮮侵略と民衆
北島万次
僕が、ずっと不思議に思ってること。
秀吉(にせよ、他の戦国武将にせよ)が、国内で戦を進めるときには、いきなりガチンコで武力でぶつかるのではなく、敵将を諜略してみたり、なだめすかして降伏を呼びかけたり、一夜城で驚かせたり、とにかく手を変え品を変え、戦わずして勝つ方法を考える、あるいは最小限の被害で勝とうとする。
だけど、朝鮮出兵については、そういう話がぜんぜん聞こえてこない。
もちろんいろんなことがあったはずなんだけど、虎を捕まえたとか、鼻を削いだとか、そういう話ばかりで、短期間の中で平壌まで進んだにしては、あまりにストーリーらしきものが少ない。
そのあたりが知りたくて読んでみたんだけど、ダメだった。
いや、本のせいじゃなく、朝鮮半島の地名とか、人名とか、当時の役職の名前とか、日本にはない漢字もいっぱい出てきて、ぜんぜん頭に入らない。
トルストイとかドストエフスキーとかを読んでいてロシア語の固有名詞に悩まされる以上に、何が何だかわからなくなる。
僕の能力の限界。
僕の人生においては、このテーマは諦めることにした。