#3212 仏蘭 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

サルコジがオランドに負けた件について。

結果は予想どおりだったにせよ、市場の反応はあまりにも楽観的すぎやしないだろうか。

右とか左とか、自由主義とか社会主義とか、緊縮財政とか成長重視とか、そういうことじゃあない。

対立軸は、欧州統合路線なのか、はたまた独自路線なのか、ということ。

で、フランスもギリシャも、統合欧州からの干渉を排除する道を選んだ。

すでに、オランダも同じ方向に舵を切っている。

あたりまえと言えば、あたりまえの帰結だ。

99年のユーロ発足前夜まで、「何百年、何千年と戦争に明け暮れてきた欧州が、1つにまとまれるわけがない」という見方が圧倒的に多かった。

大方の予想に反して通貨と金融政策の統合は今までその体裁を保ってきたけれど、そろそろ限界に近づいているということなんだろう。

金融政策だけの統合などというのは完全な片手落ちであって、財政政策を統合して始めて両輪が揃うことになる。

ところが、財政政策の統合など、最初から叶うはずもない夢だった。

みんな、我が身だけが可愛い。

財政政策の統合に進むことが全欧州の民意が容認しない以上、金融政策の統合だけを維持するというわけにもいかない。

かくして、通貨統合という壮大な社会実験は幕を閉じることになった。

・ ・ ・ かどうかはまだまだ全然わからないけど、その可能性を過小評価しすぎていると想う。

そして。

仮に分裂シナリオが現実になるとして、はたしてユーロの価値がどうなるのか、こればっかりは誰にもわからない。

通貨統合失敗で下がるかもしれないし、弱い国が排除されたあとに残るユーロ・コアは、一気にその価値を回復するかもしれない。

とにかく、なめちゃあいけないと想う。