そうこうしている間に失業保険の受給が終わってしまい、就活をしながら自治体で短期の派遣の仕事を始める事にしました。
時給はとても低いものでしたが、他に仕事が決まったらすぐに契約を終了出来るという条件でした。
私と一緒に派遣切りにあった先輩が
「会社の面接があったらそちらを優先出来るし、いい人ばかりの職場だし、時給は安いけど家にいるよりいいんじゃない?」
と誘ってくれたのです。
会社から離れても、人間関係は続いていたのです。
それは派遣切りにあった会社の社員の方達とも同様でした。
私の仕事を引き継いだ人から業務の問合せがあればすぐに対応していましたし、アフターファイブの飲み会などにはよく誘われ参加していました。
自治体での仕事は、みんなでお茶とおやつをいただく時間もあるようなのんびり穏やかな日々。
ですが、これはあくまでも期間限定。
「やはり派遣社員に戻るしかないのだろうか」
気力が萎みかけていたある日、見慣れた番号から電話が掛かって来ました。
「○○さん(元同僚)からまだ仕事を探しているって聞いてね。今すぐ仕事をしてもらえる人を探しているんだけど、来れないかな?またうちで働かない?」
久し振りに電話で話した総務課長の声は、まるで打ち合わせの続きのように気軽な口調でした。
「派遣でもいいし、契約社員でもいいし、希望に添うようにするよ。どっちがいい?」
派遣社員時代の給与の話をしてみると、
「あれ?こちらで思っていたよりも貰っていたんだね。」
私が契約更新の度に求めていた時給アップ分の多くは、どうやら派遣会社が負担をしてくれていたようでした。
「まあ、でも、とにかく急いでいるから何とかなるかな。すぐに来れる?」
すぐに仕事に取り掛かれる人間を探していた会社側は、私の要求する条件をほぼ受け入れてくれました。
社風も業務も人間関係も熟知している私は、会社にとって好都合だったのです。
「お帰り。またよろしくね。」
トントン拍子にあっさりと。
見えない出口を探してもがき続けていた私はこうして、1年前に派遣切りをされた会社へ直接雇用される事となったのです。
順風満帆|Pro-OL(プロ-オーエル)戦略室
天沢順子

