クライアントから、スウォッチの シリコンバンド に名入れが出来ないか問い合わせがありました。
シリコンという素材、印刷がとても難しいのです。

シルクスクリーン印刷の工場に聞いても、意外と深い理解のない工場が多いです。
経験が少ない、もしくは工業用部材への印刷は経験があっても商用製品の経験がないとか、要するに自信のない工場がほとんどです。(私の周りではそうでした。)

中には「大丈夫だよ」といいながら、インキについて突っ込んで聞いてみると、まったく知識がないところもありました。

「こっちはクライアントの責任負ってるんだから、ちゃんとやってよ。」って思うのですが、そこは普段から付き合いのある馴染み、でかかった言葉をぐっとこらえて、笑顔で「ありがとう」と。

私と同じように、工場からの不明瞭な回答に困惑する人もいるのではないかと思い、ニッチな技術情報だと思いますが、参考までに記録します。


シリコンに食いつきの良いインキメーカーを探しだすのにちょっと苦労しました。
インキメーカーの技術の方に相談し、うまく印刷できる(であろう)裏付けを取りました。
*確実にするためには、素材とインキのテストが必ず必要です。


ポイントは、温度管理と印刷後の焼き方。

インキは要冷蔵で保管、使用時には室内で常温に戻るまで(4時間くらい)待つ。
印刷後は145度の釜に40分入れる。

シリコン素材を相手に使えるインキは国内2社。
A社のものよりB社のインキは価格が安い。
基本7色(白・黒・赤・青・黄・黄・緑)

受注生産のため、納期は通常のインキと同じように考えないこと。白と黒は流通在庫多い。
調色はしないほうがいいと勧められたが、テストしていないので不明。

印刷時に滑りやすい素材なので、治具の作り方に注意し、印刷を請け負う前に、素材とインキの相性チェックをするのは必ずやること。


シリコンは今話題の素材ですから、印刷をしたい、面白い表現で話題を作りたい、などクリエイティビティーに燃える人もいるのではないでしょうか?

面白い商品が出来たら、ぜひご紹介くださいね。


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