何のために物理を学ぶのか??

なぜ物理の学習は必要なのか??


この問いに多くの高校生はこう答えるでしょう。


「受験のため。」と。


よく考えてみてください。


皆さんが高校を卒業して、それで自分の人生は終わりですか??

大学合格がゴールですか??


受験で結果を出すことは通過点に過ぎません。


つまり、大学合格は「目的」ではなく「目標」と言わるべきものなのです。


では、物理を学習する目的は何か。


それは、皆さんの現在の人生、そして未来の人生に深く関わっています。


そもそも教育基本法によれば、教育の目的は「人格の完成」です。


だから皆さんは、「人格の完成」のために毎日学校に通っているのです。


知っていました?? あはは。


しかし、この言葉だけではすごく曖昧で、具体的な解釈が必要です。


物理の教育においては、どんな「人格」像を描かれているのか。


私が高校生のときの物理の先生のメッセージは、

次のようなものでした。


 私たちが人間としてよりよく生きていく上で考えてみたいことがあります。
 それは人間たるゆえんは何か、ということです。

 理性を備えていることそして自他ともに不完全な存在であるという自覚を持っていることが
 そのゆえんであると思います。

 この自覚があって始めてこの不完全な私たち人間に
 今これだけの生活が許されているということへの感謝の念も持てましょうし
 また他人の不完全さを一方的に責めない思いやりもわいてこようというものでしょう。

 もっと大事なことはこの自覚だけにとどまらず真善美の追求といった
 より高い価値あるものに憧れをそれに少しでも近づこうと
 お互い励まし合い思いやって努力精進すること人間らしく生きることへの一歩で
 人間である証しを立てることになると思います。


物理教育の中での「人格の完成」の具体的な意味・内容が、

上の文章表現に尽きるのではないかと思います。


※これが正しい解釈であると断定しているのではなく、
 あくまで個人的な解釈です。


ここにきて、私が強調したい物理学習の目的を、2つのポイントにまとめます。


 1) 物理学の鑑賞
 2) 不完全さの自覚


別の記事にてその2つを詳しく述べたいと思うので、

知りたい人は上の文字をクリックしてください。


なお、物理学習の目的は上記の2点だけではなく、

 ・実用的知識の獲得
 ・専門的知識の獲得
 ・広義の科学論的理解に基づく社会的能力の獲得

などの目的もあることを付言しておきます。