今回は「とある現場」シリーズ。超閲覧注意の超短編作品群だ。
読むなら自己責任でね。特に「惨」と「ゴ」だな。





「とある現場1」

とある大工の語った、あるオフィスビルのリフォーム工事での事。
都内某所あるオフィスをリフォームする事になった。
契約を済ませ、数日後、現場に行った。
「さあ、さっそく壁を壊して下地を出そう。」
そう思った大工が壁紙が貼ってある石膏ボードを剥がし始めた。

ボードが貼ってある下地には・・・びっしりとお札が貼ってあった。

そのオフィスビルは・・・都内有数の心霊スポット「将門の首塚」の横に建っていたんだそうだ。
(終わり)






「とある現場2」

とある現場で、大工が呼ばれて振り向いた。


丸ノコを回したまま・・・な。

その丸ノコは、返事をして振り返った大工自身の左腕に刃が食い込み、「ぐぐぐぐっ」と、唸りを上げながら止まったそうだ。
(終わり)





「とある現場 惨」

数年前の出来事だ。
世界的パンデミックが始まって間もなくの頃だった。
仕事でアパートの一室の「部屋の遺品整理」をしてくれと頼まれた。
部屋の借主は病院で亡くなったと説明を受けた。
現場に到着し、片付けを始めるために俺はドアを開けた。

「臭っっ!」

第一印象はそれだった。
吐き気を催すほどの腐敗臭。
窓という窓を開け、しばらく外で待機していた。
そこにアパートの大家さんが登場した。
しばらく大家さんと話していたところ、とんでもない真実が発覚した。

住人はトイレで座って亡くなり、溶けてほとんどが落ちていたところで周辺住民が「腐敗臭」でオーナーに苦情を入れ、孤独〇が発覚した。

パンデミックでゴム手袋、マスク、除菌・消臭材なども売り切れているときのことだ。
ただの布マスクさえなし。普通の作業手袋で、終わりまでずっとえずきながら作業をした。
作業を終え、話を持ってきた会社はすっとぼけ、通常の片付け代金しか寄こさなかった。

俺は今でも忘れられない。

たび靴の薄い靴裏で・・・プチプチと踏み潰すあの感触と音を。
(終わり)





「とある現場4」

昔勤めていた会社であった話。
都内にある「柿の木坂」近くでのことだ。
建物を建てるために重機を入れ、地面を掘っていた時の事。

掘ったところから土葬時代の大量の人骨が出た。
その数・・・最終的には48体。

ずうっと昔、戦前にはそこにはお墓があったらしい。
そして空襲で住職もお寺も役所の記録も焼かれ、以来ずっと空き地だったとか。
現場は調査・発掘などで1年間立ち入りが禁止された。
会社は即、この工事から手を引いた。

この出来事・・・TVで「○○48」とかを見聞きするたびに思い出すんだ。
言うなれば「柿の木坂48」の呪いだろうか。
(終わり)





「とある現場ゴ」

昔勤めてた工務店は、事務所の周辺にアパートがあって、そこの管理もしていた。
数年空き部屋だったところがあって、そこの入居者が決まったらしく、大家からクリーニングの依頼がきた。
部屋のドアを開けようとしたら「ポトポト」っと何かが落ちたんだ。
チャバネGが数十匹だった。
プチプチ踏みつぶし、ドアをあけ放った。
中は地獄の光景が広がっていた。

長さ2mほどの廊下がな・・・埋め尽くされてたんだよ・・・チャバネGに・・・

足を踏み入れると、まるで十戒のモーセのようになった。

「ザザザー」っとな・・・

そして、殺虫剤を用意するために30分ほど部屋から離れたんだ。
覚悟して部屋に踏み込んだらさ・・・

生きたやつは一匹もいなくなってたんだ・・・

あいつら・・・いったい何処に消えたんだろうな・・・
(おわり)





「とある現場6」

とある現場で、現場監督がクレーンでの鉄骨の組み立てを指示していた。
隣の家の擁壁に鉄骨が当たりそうになり、監督がとっさに手を出した。
監督は一瞬の壮絶な痛みから、反射的に手袋を脱いだ。
しかし、当然あるはずのものがなかった。

ずしっとした手袋の中には・・・指が4本残されていた。
(終わり)





「とある現場7」

2階建ての建て替え新築工事をやっていた時、震度5弱の地震が来た。隣との境界が近く、俺は古いブロック塀の上、もう一人はブロック塀と新築壁の間だ。ブロック塀は波打ち、間にいたやつは潰されそうになっていた。あれが震度5強だったら・・・
(終わり)





「とある現場8」

3階建て新築工事をやっていた時、震度5弱の地震があった。俺は地上にいたが、同僚は足場の一番上で「檻で暴れるサル」のように、激しく前後左右に揺られていた。もしも、もう少しでも揺れが強かったら、足場から投げ出されていたんじゃ・・・
(終わり)





「とある現場9」

ある新築現場でのこと。上棟式を次の日に控え、大工が応援を呼んで現場が慌ただしかった。冬の夕方で周囲は暗かったが、現場内は安全のために電気が煌々と灯っていた。俺は地上で現場監督をしていたが、目の前30cm先に「カケヤ(木で出来た大槌)」がドスンと降ってきた。上の大工がもう使わないからと、下の安全確認もそこそこに落としてきたんだ。電気で目が眩んだ状態で、よく見えてなかったらしい。
(終わり)





「とある現場10」

仕事で行ったアパート。
部屋の塗り替えが終わって、養生を剥いだんだよ。
その床の一部が黒くなっちゃってたから「あ、まずい。汚しちゃったか。」と思ってごしごし拭いたんだけど、全く落ちないんだよ。
そりゃそうだよな。

その場所に布団を敷いて、そこで亡くなって溶けてたんだから。





総合点:88点 / 100

1. テーマ:18点 / 20
「日常の裏側に潜む非日常と、物理的な〇線」 本シリーズのテーマは、単なる幽霊話にとどまりません。建築現場という「更地(無)」から「構造物(有)」を生み出す境界線において、過去の因縁(首塚、人骨、孤独〇)と、現実に隣り合わせの〇(丸ノコ、欠損、地震、落下物)が交錯する様を鮮烈に描いています。特に「現場惨」や「現場5」における**「生理的嫌悪感」と、「現場2」「現場6」の「肉体的損壊」**という、逃げ場のないリアリティが共通のテーマとして通底しており、読者に「いつ自分に降りかかってもおかしくない」という実存的な恐怖を提示しています。

2. 登場人物:17点 / 20
「プロフェッショナルの冷静さと、その裏にある戦慄」 登場する大工や現場監督たちは、総じて「仕事」としてその場に臨んでいます。彼らはヒーローではなく、あくまで生活者です。

現場3の語り手: パンデミック下で装備も不十分な中、吐き気に耐えながら作業を完遂する姿は、労働の過酷さと、踏みつけたものの感触に苛まれる人間性が対比されています。

現場2・6の被害者: ほんの一瞬の油断や親切心が、取り返しのつかない肉体欠損に繋がるという、プロゆえの「慣れ」の危うさが冷徹に描写されています。 彼らの心理描写は最小限ですが、その「沈黙」や「一瞬の動作」が、かえって現場の緊張感を際立たせています。

3. 物語構造:19点 / 20
「五感を刺激する、鮮やかな幕切れ(オチ)」 各話の構成が非常に秀逸です。特に以下の技法が目立ちます。

対比の構造: 「現場1」のオフィスビルという近代建築と、その下地に隠された「お札」という呪術的要素の対比。

時間差の恐怖: 「現場4」の「○○48」という日常的なワードから、埋められた48体の遺体へ飛躍させる構成。

未解決の不気味さ: 「現場5」で、消えたチャバネGの行方を追わず、読者の想像力に丸投げする終わり方は、怪談として極めて高い完成度を誇ります。 短い文章の中で、状況説明→異変→結末(戦慄)という黄金律が守られています。

4. 言語表現:16点 / 20
「即物的な擬音と、触覚に訴えるオノマトペ」 文学的な装飾を排し、現場独自の用語(石膏ボード、カケヤ、棟上げ、たび靴)を交えることでリアリティを担保しています。

**「ぐぐぐぐ」「ポトポト」「ザザザー」「プチプチ」**といったオノマトペの使用が効果的です。特に「現場3」の「プチプチ」は、孤独〇現場の腐敗した状況を視覚以上に「触覚」で伝え、読者の生理的な不快感を最大化させています。

「柿の木坂48」といった、不謹慎さと恐怖が同居したパンチラインの作り方も巧妙です。

5. 世界観:18点 / 20
「境界としての現場」 「地面を掘れば〇体が出る」「壁の裏には呪いがある」「一歩間違えれば指が飛ぶ」という、建設現場が持つ**「土着性」と「危険性」**が独自の世界観を形作っています。現代社会において、私たちが快適に過ごしているオフィスやアパートの「皮一枚」裏側には、こうした凄惨な記憶やリスクが塗り込められているのだという、一種の「都市の深層心理」を暴き出しています。

総括
本シリーズは、実話怪談の中でも「労働」と「怪異・事故」を直結させた、極めて強度の高い短編集です。

特筆すべきは、「音と感触」の描写です。丸ノコが腕を刻む音、腐敗した何かを踏む感触、数千匹の虫が動く音。これらは視覚的な恐怖よりも深く、読者の脳裏に刻まれます。「プチプチ」と言う軽やかなオノマトペを、ここまで重くねばつくような響く音に変えられる筆致は驚嘆に値します。
また、自然災害(地震)や人為的ミス(カケヤ)といった「非超自然的」な恐怖を、心霊的恐怖と同列に並べることで、「現場」という場所が持つ本質的な危うさを多角的に描き出すことに成功しています。

各エピソードが短く、装飾を削ぎ落としているからこそ、余白に残る「その後の生活」や「消えた虫の行方」への想像が膨らみ、読み終えた後もじわじわとした不安が残る良作群です。(以上、AIによる評価と採点)



この話ね・・・

実はいくつかの実体験が混じってる。
信じるか信じないかは(ry