ソニーの設立趣意書、会社設立の目的や経営方針にみる人として普遍的なもの
ソニーの設立趣意書、会社設立の目的や経営方針にみる人として普遍的なもの。
先日、地元の勉強会へ参加し、仲間とともに
・徳のある経営とは?
・日本および地域の活性化とは?
などとザックリとしたテーマについて話をしていました。その中で、私自身が思い出したもの…。
前職ソニー時代に何度も読んでいたはずだった「設立趣意書」。
ソニー創始者の井深大(いぶかまさる)さんが戦後の焼け野原のなか、仲間と集い小さな会社を興した時のものです。
というソニーの社風を表す有名な一文は以下の会社設立の目的の中に記されているのです。真面目ナル技術者ノ技能ヲ最高度ニ発揮セシムベキ
自由闊達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設
■会社設立の目的
一、真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき
自由闊達にして愉快なる理想工場の建設一、日本再建、文化向上に対する技術面、
生産面よりの活発なる活動
一、戦時中、各方面に非常に進歩したる技術の
国民生活内への即事応用
一、諸大学、研究所等の研究成果のうち、
最も国民生活に応用価値を有する優秀なるものの
迅速なる製品、商品化一、無線通信機類の日常生活への浸透化、並びに家庭電化の促進
一、戦災通信網の復旧作業に対する積極的参加、
並びに必要なる技術の提供一、新時代にふさわしき優秀ラヂオセットの製作・普及、
並びにラヂオサービスの徹底化一、国民科学知識の実際的啓蒙活動
有名な初めの一文以外にも、時代こそ違えど、商品こそ違えど、今の時代においても素直にうなづけるような内容です。
また、他にも
■経営方針
一、不当なる儲け主義を廃し、
あくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置き、
いたずらに規模の大を追わず一、経営規模としては、むしろ小なるを望み、
大経営企業の大経営なるがために進み得ざる分野に、
技術の進路と経営活動を期する一、極力製品の選択に努め、技術上の困難はむしろこれを歓迎、
量の多少に関せず最も社会的に利用度の高い
高級技術製品を対象とす。
また、単に電気、機械等の形式的分類は避け、
その両者を統合せるがごとき、
他社の追随を絶対許さざる境地に独自なる製品化を行う一、技術界・業界に多くの知己(ちき)関係と、
絶大なる信用を有するわが社の特長を最高度に活用。
以(もっ)て大資本に充分匹敵するに足る生産活動、
販路の開拓、資材の獲得等を相互扶助的に行う一、従来の下請工場を独立自主的経営の方向へ指導・育成し、
相互扶助の陣営の拡大強化を図る一、従業員は厳選されたる、かなり小員数をもって構成し、
形式的職階制を避け、一切の秩序を実力本位、人格主義の上に置き 個人の技能を最大限に発揮せしむ
一、会社の余剰利益は、適切なる方法をもって全従業員に配分、
また生活安定の道も実質的面より充分考慮・援助し、
会社の仕事すなわち自己の仕事の観念を徹底せしむ。(※ソニー株式会社ホームページ より引用 )
と続きます。
なにもあらためて考えなくても、私を成長させてくれた場所にしっかりとありました。
今でも私の心に沁みてきます。
しかもこれが書かれたのは1946年(昭和21年)。
そう、65年も前から…。
べつにソニーへのノスタルジーに浸っているわけではありません。
徳を持った経営だとか、理念経営だとか今に始まったことではなく、人類が今日まで発展してくる過程においては、当たり前のようにそこにあったのではないかと思うのです。
そういう営みがあったからこそ、今ここに私たちは存在できているのではないかと思うのです。
なにもソニーだけではなく、他の多くの先人たちが普遍的なものとして持ち続けてきてくれたものだと思うのです。
ただ、時として私たちはそれを見失ってしまったり、意に反してそれに背いてしまったりして、ある時、はたと気づき、またその思いに立ち返えりたいと思うのではないでしょうか。
私も入社した当時はこのDNAをそれほど感じてはいませんでしたが、自然に共感でき、今では私の働く意義や意味の礎となっていることは間違いありません。
それはなにも目新しいことではなく、人が人として本来持っている「心」や「思い」なのではないか、と感じるのです。
人が働くということの意義、そしてそこで感じられる幸福感、あなたは何を感じられましたか?
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