◇先週末、稽古初日だった。唐突な書き出しだが、何もかもバタバタと決まったのだ。
厳しい暑さの続く夏の終わり、ハードな仕事の僅かな隙間をフルに動いた。幾人かの人に連日会う。基礎稽古と頻繁な打合せ。詩や文章の執筆と、改訂作業。いくつかの会場の下見。

◇職場では忙しい時期に冷房効かず。何人かの同僚が暑さと疲れで調子を崩すなか、よくぶっ倒れなかったものだとおもう。あ、熱中症で一度ノビはしましたが…ほら、あの…み、、水風呂が原因で体温下がらなくなったヤツです))::前回のメルマガ読んだ知人から思い切り笑われました))
この熱中症の余波は一週間くらい続き、検診でひっかかったピロリ菌除去治療の副作用とおりあしく重なって、必要以上にしんどい思いをする羽目になったのだが、まあ、これは余談。

◇年内二本の朗読公演が決まった、そのための稽古である。公演は11月と12月。最初の公演まで、稽古はわずか14回しかない。急なことなので職場はなるべく休まないことにしようという方針を立てた。
12月まで、ほぼ休日無しで、職場、執筆、公演という3足の鞋で、突っ走ることになる。いや…待てよ、いくつかさらに掛け持ちしているから5足くらいかも。
長い公演休止からのこの激変。俺、保つかなあ。。。エンジン。。。エンジン(けっこうパワーと粘りはある)がもっても、車体はだいじょうぶかしらん。
てなわけで車体メンテナンス、じゃない、ボディトレーニング、この忙しいなか、ちょっぴしずつではありますが続行中です!

◇今回集まった役者は6人。それぞれ不思議な魅力の持ち主だ。
ふわっとした声とやわらかな動きの目のおっきなベテラン女優KNさん。
台詞が長ければ長いほどなぜか生き生きとしてくる男優ISさん(僕よりも滑舌のよい俳優をはじめて見た! ちょっと悔しい)。
カウンターテナーからアニメソングまで自由自在に歌いこなす謎の男THちゃん。
のびやかな歌声の持ち主女優KMさん。。。
プラス光る温泉まんじゅう系猫系童顔女優の相棒MCちゃんと不肖、僕こと日疋の6人である。

◇そういえば、メンツの半分は神楽坂での出会いである。男優THちゃんは神楽坂の小劇場でのぷろ☆ぷら第6回公演に出てくれているし、男優ISさんと女優KMさんは「夏の夜の夢」でパック役をやらせてもらったとき共演した。
連日神楽坂を上がり、坂上のちいさな稽古場に一緒に通っていたのであった。そういえば、あの夏も暑かったなあ…

◇朗読公演は僕にははじめての経験である。さいきん発表の機会が増えている「詩」を扱う。
これもはじめて。
しかし演出としての僕は変わり者なので、たぶん一般的な「朗読」のイメージとはだいぶ違ったものになるとおもう。
休止がながかったせいもあるだろうが、とにかく稽古がエキサイティングで、楽しくてしかたがない。
つぎになにが出てくるかまったく予測がつかない。みんないろんな引き出しを持ってる。
なんて素敵なひとたちなんだ!! 稽古場で毎回、おめめキラキラうるうる状態である。
そんな中、もうひとつのサプライズがあった。あるちいさな詩の賞の、第三次予選の通過通知が届いたのである。……ながいたたかいのあと、秋は実りを連れてくる。きっと!

(週刊 神楽坂ニュース vol.267「野分号」
日疋士郎連載エッセイ 「ぷろじぇくと☆ぷらねっとの「神楽坂逍遥」」より転載)


*出演者名等は、近日詳細掲載!お楽しみに♪