多くの飲食店経営者や小売業者が勘違いしがちなことそれは、
「メニューやアイテム数を増やせば、売上げが上がる」ということでしょう。
その背景にはやはり、「アイテム数が多ければ多いほど、
お客様に喜んでもらえるはずだ」という思い込みがあります
飲食店経営でも、売上を伸ばそうとして、どんどんメニューを増やそうとして、
かえって廃れていくということはよくあることです。
その不思議な現象はどうして起きてしまうのでしょうか。
例えばオーナーシェフが1人で切り盛りしているような飲食店経営であれば、
メニューが増えることでなおさら労力や手間が増え、
負荷は計り知れないものになっていきます。
「売れ筋商品」も「死筋商品」も混合した品揃えになり、
雑然とした売り場(飲食店であればメニュー)になってしまうことです。
消費者に多様な選択肢から選んでもらうというのは、
一見良いことのように思えますが、実はお客様に判断を丸投げすることにも繋がります。
さらに、商品アイテム数やメニューの選択肢を増やす行為は、
「数打てば当たるだろう」という大雑把なマーチャンダイジングに陥ります。
難しいのは、「どの商品やメニューを減らすか」を見極めることでしょうか。
店頭に並べる商品を決定する場合、大きく二つの問題を念頭に置く方がいい。
一つ目は、「今、世の中で何が売れているか」というマーケットの問題。
もう一つは「これから何が売れていくか」というトレンドの問題です。
「一日で注文二回」という売上を見た時、その数字だけで瞬時に判断するのは誤りです。
その二回という数字が、以前は一〇回注文されていたのに、最近は二回しか売れなくなっているのか、
それとも、以前は売上げゼロだったのが、今は二回売れるようになったのかで、意味が全然変わってくるからです。
目の前の数字だけにとらわれると判断を見誤ります。
前の数字と比較し、マーケット、トレンド双方から分析することが大切です。
店ごとにふさわしい適正在庫量を、日々の商売の中で見極めていかなければいけませんね。
何でも誰でもだと在庫も提供商品も雑なものになりかねません。