知的障がい者が全社員の7割を超える会社ながら、
ある業界で日本一のシェアを占める会社をご存知でしょうか？
私は聞いたことがあるぐらいで詳しく知りませんでした。
その会社は、神奈川県川崎市にあるチョーク製造会社の
日本理化学工業株式会社
昭和12年に小さな町工場からスタートしたこの会社は、
昭和35年に二人の少女を雇い入れたことをきっかけに、
障がい者雇用に力を注ぎ、
「日本でいちばん大切にしたい会社」として
全国から注目を集め続けています。
現在も全社員のうち、7割が知的障がい者であるが、
一人一人の能力に合った仕事を作ることで、
彼らが製造ラインの主戦力となり、
社員のほとんどは定年まで勤め上げるといいます。
同時に、彼らの作るダストレスチョークは
業界シェア1位を誇っています。
そんな、日本理化学工業株式会社が
知的障がい者を雇用するキッカケは
当時、社長だった大山泰弘さんが、
近くの養護学校から、卒業予定の2名に、
「採用はできなくとも、
せめて働く体験だけでもさせてくれないか！？」
と頼み込まれて、引き受けたのが始まりだったそうです。
二人の少女が実際に会社で作業体験をしたのだが、
その仕事に打ち込む真剣さ、幸せそうな顔に
周囲の人々は心を打たれたそうです。
約束の作業体験の期間が終わる前に
現場で働くスタッフ全員が
大山社長を取り囲んで、
「みんなでカバーしますから、
あの子たちを正規の社員として採用してください」
と訴えました。
これを契機に日本理化学工業株式会社では、
知的障害者を少しずつ採用するようになりましたが、
大山社長には１つ分からない点があったと言います。
それは、
「彼ら（知的障がい者）は、会社で働くより
施設でのんびりしている方が楽なのに、
なぜ彼らはこんなに一生懸命働きたがるのだろうか？」
ということだったそうです。
確かに、施設でのんびり暮らして過ごすことも出来るが
なぜ、そこまで一生懸命に働くのか？
その答えは、
「仕事を通して人の役に立ち、人に必要とされたい」。
という想いであると。
これは、知的障がい者でも健常者でも
人間が感じる幸福感は変わらないという事です。
仕事を任せてもらえる、仕事がある、役に立った！
必要とされているという幸福感があるんですね。
今の仕事にこのような感情は沸いていますか？
考えること感じることが多そうです！