不動産の歴史の続きです。
阪急阪神東宝グループ創設者、小林一三氏まで書きました。
阪急阪神東宝グループは阪急電鉄、阪急百貨店、宝塚歌劇団、東宝などを有する
関西きっての一大企業集合体でその会長が戦前から最も力を入れていたのが土地開発
安く仕入れた土地を付加価値を高めて売る戦略。
山林を買い鉄道を敷く終着駅には娯楽施設やデパートを建てる
その間に駅をつくり周辺の土地を宅地造成する。
区画を割って販売するほか家を建てて一括で売る方法もある。
「この家はあなたのものです!」という宣伝文句を戦前から考えていたそうです。
一括で売る?一般の労働者が買えないじゃないか!ですよね。
そこで小林氏は考えた、住宅ローンで住宅購入希望者にお金を貸すことを。
土地付き一戸建て住宅の販売価格を均等割りにして何十年とかけて返済していく
これなら一般市民でも返せる完済したら所有権も得られる。
それにローンの貸し手には金利が入り儲かる。
もちろん土木、建設など住宅関連企業が活況になる
これにより鉄道を中心とした金融と住宅・流通サービスのパッケージが完成!
日本に一大産業の誕生
国内の住宅市場が成長し産業が発展すれば税収が増える。
国民に家を持たせれば税金を徴収できる財政は潤う!
この方法論をそのまま取り入れ、私鉄各社、銀行、建設会社全部集めて
国家プロジェクトを立ち上げた。
戦前に生まれたこの小林モデルを戦後の高度成長時代にあらゆる鉄道会社がマネした。
1950年には住宅金融公庫ができ国も不動産取得を後押し。
このころから「夢のマイホーム」「一国一城の主」という言葉が登場!
1960年の流行語は「マイホーム主義」
一戸建て購入が大ブームになり家を買うことが庶民の目標になった。
国に目標を持たされた感じがしますが・・・
こうしてみていくと日本人が家を持つようになったのはごく最近であることがわかります。
よく賃貸と分譲どちらがお得か?などの記事をよく見ますが、家は投資で何かあった時に財産になるなんて事を言う方がいらっしゃいますが、本当に自分が購入しようとしているのはそうなのか?
賃貸は一生家賃を払わなければいけない、購入すればローンが終われば自分の物だし家賃もかからないなど。
約30年~35年借金を抱え、給料や会社がずっと同じかそれ以上を保証してくれると信じ
ローンが払い終わったら35年落ちの家が自分の物になる。
地震などで倒壊したりすれば(保険に入っていればいいが全壊、半壊などの査定にもよりますが)ローンだけ残る。そういうリスクも考える必要はあるのかなと。
何かあったら時の財産。手放せばいい!
これからの時代に自分が持っているのは売れるのか?(売っていくら手元に残るのか?)
売ってしまったら今度は賃貸の経費が掛かりますよね。
借金を嫌う日本人も車と住宅のローン(借金)だけは寛容ですよね。
家を建てたから凄い、えらい、マイホームを持って一人前みたいな風潮があまり好きではないので調べてみました。
歴史も少し参考にしていただければ幸いです。