息子の高校の卒業式が近づいてきた2月の下旬頃。


その頃は、

私立大学の入試を受けては不合格、入試を受けては不合格


そんな日々を繰り返していた。



3月の国公立大学の後期試験も控えていて

家庭内は非常にピリついていた。



《このままどこにも受からないのでは、、、》



そんな不安に押し潰されそうな中、必死になってこれから出願出来る大学を調べたりしていたが、


気がつけば


低偏差値の大学のばかりを調べている自分に気が付き、ふと我に帰り、愕然とした。



息子にも、

「受けるだけ受けてみるか?」

と、一応聞いてみたものの


「行かない大学は、受験しない。」


という、超進学高校あるあるネタだが

そんな無意味なプライドと屁理屈により却下された。



私の中にある

【超進学高校に通う息子の母】

というちっぽけなプライドも


追加で低偏差値の大学を受験させるという事を許さなかった。



受けるかどうか息子に聞いたが、それは形だけで


「そこには行かない」

「もっと上を目指す」


その言葉を息子の口から聞きたかっただけだった。





進学先は決まらないまま、高校の卒業式を迎える事となった。



夫は息子の学校行事には比較的よく参加していて、高校の卒業式も出席する予定でいた。



ところが



大学受験が上手くいかず

不合格通知ばかり受け取っている息子を見て

かなり苛立っていた夫は


「卒業式には出ない。恥ずかしくて行けない。」


そう私に言った。



息子の通う高校では、毎年全体の半数近くが浪人している。

息子のクラスメイト達も、進学先の決まっていない子はたくさんいて、みんな頑張っていた。



恥ずかしいとは、どういう意味なのか。



大学受験で不合格続きが、恥ずかしいのか。

進学先が決まっていない事が、恥ずかしいのか。

本気で勉強していない様子だと思って、恥ずかしいのか。



誰に対しての【恥ずかしい】なのか。





結局、


夫は息子の高校の卒業式には出席しなかったし

興味すら示さなかった。