息子が中学生になってから通い始めた塾では、講師陣がとても優秀な方が多かった。



その中に1人、官僚として仕事していた先生がいた。


その先生が大学を卒業して、官僚として働き始め、自己紹介をする時、


同期が皆、はじめましての挨拶で名前と出身中高名を言っていたそうだ。



出身大学ではなく。

出身中高名を言うのだそうだ。



例えば「灘高です。山田太郎です。」

(仮の高校名と仮の名前です)

といった具合に。



何故だろう?

先生は自分の自己紹介の順番が巡ってくるまでの間に考えて、「あ!」と気が付いたそうだ。



みんな東大だから



出身大学がみんな同じだから、大学名を言う必要がないのだと。



勉強して難関中高一貫校から難関大学へ入学。

官僚として就職したが身体を壊して離職し

その後自分の強みを生かして塾講師になったと


その先生はそう話してくださった。




すごい世界だなぁ、、、

同僚が全員東大とは、、、

と田舎者の私はぼんやりと聞いていた。




そしてふと目をやると、そこには


その先生に教わって、文字通りガリガリ勉強している我が子がいる。



【身体を壊して離職】



そこが私の心に引っかかった。


こんなに勉強しているのに、、、

息子の行く末が、もしかしてそこなの?

(私個人の感想です)



先生はそんなつもりで話した訳では無いと分かっていたが、

なんとなく私の心に引っかかってしまったのだ。



自分の夢に向かって、自律心があって頑張っている子ども達はたくさんいる。



多分、その言葉に引っかかってしまった私は



もしかしたら



《息子に、こんな生活は過酷過ぎるのだ》


と、無意識の心の奥で気が付いていたのかも知れない。



しかしその時は、なんとなく薄ら寒い気持ちになっただけで、その後の生活を変える事はしなかった。