息子は中学生になってから塾に入った。
その塾での成績はとても良かった。
《成績が良ければ、将来に不安が無い》
そう思っていたが、現実は違っていた。
偏差値がいいときは、次が心配
偏差値が悪いときも、次が心配
結局、私は息子の成績がどうなろうと
ずっと心配していたのだ。
偏差値が悪いと言っても、67くらいだった。
一般的に言えば
というか、今の私なら
充分過ぎるくらいの成績でも、
当時の私にとっては
「他の誰かに抜かされたくない」
という気持ちでいっぱいだった。
「今回偏差値70取れなかった理由はなんなのか」
と、偏差値ばかり見ていた。
息子を見ていなかった。
中学3年生になると、受験する高校をどこにするか決めなければいけない。
高校へ見学に行ったりしたが、
それよりも
塾の月例テストや模試で出てくる持ち偏差値に注目していた。
偏差値70を超えてくると、高校の合格可能性は高くなる。
大抵の所は判定が良いので、塾での面談でも難関の高校を勧められた。
その高校を受験する事が出来る
しかも、合格可能性も高い。
それだけで嬉しかった。
「変わってる子」のレッテルが、剥がされていく感覚だった。
しかし、嬉しかったのは私たち夫婦だけで
勉強をするのは息子だ。
テストの度に高い偏差値を取らなければならない
その偏差値の結果だけで受験高校を決める
偏差値地獄にどっぷりとはまっていた。
高校の校風など、ほとんど見えなくなっていた。
