日本が一人当たりの薬剤支出額においてOECD加盟国の中で平均を上回っていることを前回で記しましたが、実は、総医療費は平均以下なのです。これが何を意味するのかということです。

推測すると(後述の根拠に基づく)、日本の医療は、処方過剰であるということ。病院側の過剰な処方のみならず同時に患者側の依存度の高さにも問題があると言えます。


現在、日本の医療機関では大半が「院外処方」となり、薬価差益の部分で儲けることができなくなってきました。つまり薬に関しては処方料のみの収入となるため、院内処方が当たり前であった時代のように「薬価差益+処方料」という制度の下での薬による儲けやすさは過去のものになりつつあるということです。

にもかかわらず(ここからが本題)

相変わらず多いこの処方状態はどういうことなのか?
考えられる理由
1、良く捉えると→儲け主義で薬を出しているわけでなかった
2、悪く捉えると→薬を処方するしか能がない

前者が正解なら、薬価差益がなくなったら薬の処方数も減るはずですが、減っていないため制度上の小手先の改革では問題は解決しません。正解が後者なら、医学教育と関連制度問題を並行して改革して行く必要があるといえます。
両方に共通して言えることは、「治療手段(選択)の少なさ」ということでしょう(これは大問題です)。
後発医薬品のシェアが現在46.9%である日本は、そのシェアで欧米各国に後れをとっているが、その薬剤費用としての比較の影響は現時点では誤差である。

要するに、西洋医学偏重主義から「治療の選択肢」をもっと増やすための根本的な医療制度をはじめとする大きな改革が必要ということに他なりません。 おわり