またまた漢方薬が公的保険適用除外の危機に直面しています。

遡ると、2009年に「漢方の保険外し」をめぐり、漢方の世界も一つの重大な岐路に立たされていました。まだ記憶に新しい民主党政権時の事業仕分けで打ち出された方針によるもので、理由は「湿布薬、うがい薬、漢方薬などは薬局で市販されており、医師が処方する必要性が乏しい」ということ。

これに対して、日本東洋医学会の健康保険担当医理事でもある慶応大学医学部漢方医学センター長の渡辺賢治医師が中心となって、反対署名に奔走しわずか3週間で92万5000人の署名を集めました。結果、政府はその後、方針を改め保険適用継続を決めざるを得なくなりました。


というか、それ以前に、当時の民主党政権下では「西洋医学と漢方を含めた東洋医学を組み合わせた統合医療の推進」を打ち出していました。矛盾の極みです。

ところが、ここにきて漢方の「保険適用除外」の議論が再熱してきたのです。

財務省の(医療費削減への)思惑は次の通りで、
漢方薬保険適用除外→保険適用の西洋薬と保険適用除外された漢方薬の混合診療→全額患者自己負担→医療財政負担軽減


ガン治療でも漢方が着実に成果を上げ、西洋医学で対処できなくなったガン患者への治療も多くあります。手術、抗がん剤、放射線の治療を受けたガン患者の後遺症や副作用に対する漢方の有効性は極めて高いというエビデンスも確立しつつあります。補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯、大建中湯などはその代表的なものであります。

高齢になるほど症状はその数が多くなり、西洋医学では症状ごとに薬を処方するのでかえって医療費がかさみやすいはずです。対して東洋医学は全身が関連する一つの有機体として診断しますので、基本的に(原則)薬は一種類です。

つまり
漢方薬を処方する割合が増えるほど、医療費削減効果は高いのではないかということです。


漢方の保険外しが議論の俎上に乗せられていることはまったく理解しがたいことです。