選挙において一票の格差の是正、また、高齢者の地方移住政策など、今、バランスをとることの必要性が提起され、その要否が論議されています。当然、医療の世界も待ったなしでその効率性が問われております。

その最たる問題が、同じ機能の病院が多いことと地域による偏在です。ケースとしては、人口は減っているのにベッド数は減らしていない結果、効率の悪化が蔓延していることなどがあげられます。。

国は、医療システムの効率化を図るために「地域包括ケア」というものを打ち出しました。これは医療機関を集中することなく、その役割の一部を地域や家庭に移すというものです。

アンバランス(医療の非効率性)の弊害は、必要な人が必要な治療を受けられないという問題を起こします。2025年には、75歳以上の団塊の世代が26%に達します。その一方で医療機関のベッド数は、長期入院する高齢者の増加で不足し、必要な治療を受けられない事態が確実に起こるということです。
参考)
医療費抑制   医療費抑制2

患者の意識改革も急務と思えます。つまり「大学病院がすべて」みたいな意識は取っ払うことが必要です。人口構成をはじめ地域の特性に合わせた医療体制を整える必要があるということです。例えば、医療機器の配備や高度医療を提供する病院への受診の偏りを修正することです。

各都道府県が今後取り組むべき医療体制の改革は、将来の医療需要の予測を立て、連携してそれぞれの地域で過剰と不足の調整をすることではないでしょうか。


日本経済新聞 産業地域研究所調べ


専門化、細分化された現在の医療体制も見直すことが必要と思います。具体的には、家庭訪問診療医や総合診療医の確保です。つまり医療の専門分化は、地域に根差す医療の逆行であり、効率化というバランスの弊害になっているのは間違いないということです。家庭医、総合診療医は全く足りていません。
原因の一つとして、まだまだ日本は臓器別専門医の方が格上という意識が医師の間だけでなく患者もまたそう抱いているという現実。これには医学部教育から根本的に見直し、家庭医や総合医のステイタスを上げる工夫も必要ではないでしょうか。

欧米では、医師の約半数が家庭医と総合診療医で、日常の病気や健康問題の約8割に対応し、不必要な検査や治療の機会が減り、コスト削減効果としても高い評価として報告されています。
参考)
日本の医療の実力は?(後)
日本は、年間100以上の病院が閉鎖しています。設備投資に回す資金不足は、結果的に患者の大病院への流出を意味します。