医学の発展は科学の進歩の結果であることは明白です。それに伴い「医は仁術なり」はもう遠い昔の話と言っていいかもしれません。

医療離れが進んでくる状況に危機感を持つと、「日本の医療のすばらしさ」をTVなどでどんどん紹介する。先日も「世界に誇れる日本の医療体制と設備」みたいな感じのタイトルで特番をやっていましたが、私からすれば、「誇る」ところを間違えているとしか思えません。

医療は本来「いかに治癒率を上げるか」「いかに病気による(老衰死以外)死亡率を下げるか」「いかにQOLをもたらすか」を目的にしているはずです。確かに、医療技術の進歩は体の負担軽減や早期退院などに貢献は出来ています。これは素晴らしいことです。しかし、どんなに設備や体制が整っていても、一向に減らない死亡数や治癒率。減るどころか増えている現状です。その番組ではCTなどの先端機器などの保有台数は日本が世界一であることも自慢ということで紹介していましたが、これが実際はどういう意味かを考える必要があります。まるで「
病院へ行こう」キャンペーンです。また本当の日本の医療の実力を知る必要があります。           参考)日本の医療の実力は?(前)   日本の医療の実力は?(後)   

人間の生命現象の何もかもに「医学」がサッと入ってきて病名を付ける。そして薬漬けになる。ご存じない方も多いと思いますが、年々病名は増えているのです。問題は、人間の持つ自然治癒現象にやたらと病名を付けている「医療化」です。検査など医療機器の進化で、これまで表面化しない体のサイン(症状)をいとも簡単に発見し、自己治癒で知らない間に治していたものに医療が先に入り込み(投薬)、これがいつの間にか人間の持つ自然治癒力を低下させ、副作用や薬の耐性を作り出し、やがて症状とのいたちごっこになり、副作用やその二次作用によって重大な病気や死亡につながる医原病と医原死とつながているのです。
参考)診断技術向上の功罪