前回、医療費抑制では、DPCやDRG制度を中心に医療費抑制の手がかりを記しました。

医療費抑制への必要項目の中では「費用対効果」も極めて重要です。
参)費用対効果を考える

アメリカで1986年から1994年まで、乳がんにおける医療費と延命効果が調査されましたが、これが「費用対効果」を分析する上で衝撃的な結果となりました。

医療費が大きくなるほど延命年数が減っていくということでした。

例えば、アメリカでのデータですが、1986年が推定余命11.3年で医療費が48,053㌦。その後医療費は上がり続け1994年は医療費64,651㌦にまで膨らんだにも関わらず延命年数は8.7年まで下がってしまっていたのです。参考資料(「データでみるがん医療の今」グローバルヘルス研究所)

アメリカはこのような点からも医療の進化に向けての良い反省材料にしてきました。

ただし、このデータは「早期発見の影響を除く」となっています。すると早期発見の努力をすれば費用対効果は改善するのか?と思われますが、早期発見と延命年数の関係は、私からすれば早期に発見すれば結果余命年数が増えるのは当たり前ですから「早期発見の影響を除く」というデータで十分なものであるということです。

つまり、医療費をかければよいというものでなく、なぜ医療費が増大するのか、これまで以上に多様な観点から原因を追及していく必要があるわけです。

医学の進歩、すなわち治療技術の進化や革新が医療費を増大させていることにも論点をおき、決してそれが治癒率を上げたり医療費抑制につながっていないということを認識すべきでしょう。

「医学の進歩で治癒率が上がった」という根拠やデータを示すことがありますが、あくまでも西洋医学的な「対症療法」によるその部位の治療成果であって、根本原因まで解決できておらず、それが次の別の病気につながっていることに目を向けていないことが問題であり、医療費抑制のためには「根本治療」が不可欠であることにも論点をおく必要があるのです。