私の定義で
「質の高い医療」
とは
「質の高い医療」
とは
「不要なベッド数と入院日数を減らし、かつ患者のQOLと予後を充実させる治療成果を高める」
アメリカのメイヨークリニックの優秀性は群を抜いているわけですが、もし、日本全部の医療機関がメイヨークリニックと同じ結果を実現できれば、想像を絶する医療費削減効果が可能になります。可能か不可能かは別にして目指すことは極めて重要であると思えます。
参考ブログ)情報操作の功罪 日本の医療の実力は?(後)
薬の抑制も進んでないとは言えませんが稚拙極まりなく、膨張する医療費抑制規模としては誤差であります。一昨年からの栄養補給目的のビタミン剤、今年四月からのうがい薬の保険適用外、改革案では湿布薬と風邪薬。風邪薬なんて意味がないことくらい今は誰でも知っているし、もっとたちの悪いのは医療の世界ではずいぶん前から「効果なし」が常識であったということです。
これまでも何度か記してきましたが、日本の急性期病院(*)における病床数と平均在院日数はOECDの中でも人口当たり群を抜いています。日本がアメリカに遅れること20年~DPC制度(*)を採り入れる急性期病院は増えているものの、日本が誇る国民皆保険制度をはじめ高額療養制度などの功罪(否定でなく「罪」の部分をどう改革していくか)に注目する重要性とそれに対する議論は徹底的にするべきです。
しかしながら最も議論すべきは「社会的入院」という壁。これはこれまでの出来高報酬制度による病院側の「1日でも長く入院させた方が儲かる」という意思行為と患者やその家族の「家族に迷惑かけたくない、病院にいた方が楽」というように両者にメリットをもたらしてしまうことで「効率の悪さ」にとどまらず医療費増大に大きな影響を及ぼしています。
そこで2000年に入りアメリカに四半世紀遅れて日本でDPC制度が導入されたわけです。また逆にアメリカが国民皆保険制度の導入に躍起になっています(実のところ国民皆保険制度はアメリカが考え出したもので戦後の占領下の日本にモデルとしてもたらしたものなのです)。
DRG制度(*)を採り入れているアメリカが国民皆保険制度を導入するのと、国民皆保険制度が当たり前の日本にDPC制度が導入されるという「順番の違い」は大きく、なぜならDPCやDRG制度は少なくともアメリカは並行して医療スキル向上も目的として導入したもので、日本がDPCを導入したのは医療費削減という目的が大きく、医療のスキルアップにつなげることとかけ離れているのが現状です。
つまり、「医療にかかる期間の短縮→医療の粗雑化→悪いQOL・予後」になることが懸念されるわけです。しかし、アメリカのメイヨークリニックのように「短縮→質を向上させる→良いQOL・予後」でなければDPCもDRGも意味がないのです。
ただし、良い予後には自助努力の部分が大きいのでリラックスをはじめとした生活習慣が大きく影響します。対してQOLの良し悪しは医療行為によって大きく影響を受けてしまいます。
医療のスキルアップとは、冒頭に記した「質の高い医療」の定義と重なります。
*「急性期病院」とは、緊急度、重要度の「高い病人を受け入れる治療体制を整えている病院で救急車を受け入れる病院などが該当する。
*「DPC制度」とは、診断群分類ごとに1日あたりの報酬が決まっている制度。この制度下では、不要な治療を重ねたり、例えば入院日数などが長引くほど利益が圧迫され長期間で赤字になることも。
*「DRG制度」とはDPC制度の「1日あたり」の定額報酬に対して「1入院」あたりで決められている報酬制度。