脳科学や脳生理学などの専門家の間で「情動の涙」という言葉があります。そしてこの種の涙がストレス解消にもなるというのが専門家の意見です。

「情動の涙」は、感動的なとか悲劇的なドラマや映画を見てでる涙で、タマネギを切るときの刺激による反射的な涙とは全く別のものです。

映画などを見て涙が出始める1~2分前に大脳にある「前頭前野」という部分の血液量が穏やかに増えて、10~20秒前からは急増するといいます。そして泣いた後は血液量が下がって元にもどるということです。

この泣いた後の心理テストが重要で、ストレスとの関わりを調べていきます。

これはロート製薬の調査結果ですが、2012年に社員を対象にした涙に関するアンケートで、泣いた後に「気が晴れた」とか「より楽しくなった」など気持ちが前向きに変化したという回答が65%に達しています。

「情動の涙」を出しているときはすでに副交感神経が優位にたっています。科学的にはまだ未解明なところもあるみたいですが、泣くことで交感神経から副交感神経に切り替わる状況を作り出し、結果ストレスを軽減しているという理屈です。

ということは、泣きたくても泣けない状況にあったりそういう状況を作り出すとかえって体に悪いということになります。つまり交感神経が緊張した状態のままということで納得がいきます。

確かに鬱の方を観察していると「不安すぎて泣けない」「体が疲れすぎて泣けない」という状態に追い込まれているパターンが見受けられます。

泣くということは非常に大切ですね。しかし、人間の大脳新皮質系に属する情動脳は人間特有の知性脳よりもかなり多くのエネルギーを使うことがわかっていて、あまり泣きすぎると(怒りすぎることも加えて)そのエネルギーの発生量から活性酸素が多くなり認知症や鬱などの原因にもつながります。

怒りっぽい人が早死にする傾向にあるというのもうなづけます。

喜怒哀楽面からみると喜と楽は同じ情動脳を使っても免疫機能を増強させるホルモンの分泌が活発なるのでメリットの方が大きくなります

受験シーズン到来ですが、前述のように知性脳は情動脳に比べてかなりの省エネですから活性酸素も情動脳ほど気にすることはありません。しっかり「知」は酷使しましょう!ただ、受験ストレスはまた別のところにありますからね・・・受験生の皆さん抗酸化栄養素もしっかり摂って頑張ってください!