私のセミナーや講演でも、質疑応答コーナーでは、まず最新の情報による質問が多い。一昨年の例ではNHKでレスベラトロールに関する放映があった翌日など朝から薬剤師などからも問い合わせの電話やメールがあり、さすがNHKのゴールデンタイムの放送は説得力があると感心したものです。また、昨年では某健康食品の販売員対象セミナーで「新聞でビタミンEを過剰に摂ると骨粗鬆症になるという記事を見たがどうなのか?」という半分記事に対する怒りの感情も見受けられた質問がありました。

情報提供が一方的であるがゆえに生まれる誤解。単なる誤解ですませられない健康に関する情報。気をつけるべきことは、例えばビタミンEの過剰摂取と骨粗鬆症の関連という情報を例としてあげると、確かに行った動物実験の結果や机上の理論は正解であり事実です。しかし怖いのはこの情報によって杞憂することなのです。極端に止めたり始めたりすることは健康にはプラスに働きません。

そのセミナーでこの質問に対して私の答えを聞いた人は誰一人としてビタミンEの摂取量は減らしていません。むしろ不足気味と感じた人が積極的に摂りはじめました。逆に、どれだけビタミンEが骨の代謝に大事であるかがわかったからです。

どんなものでも摂りすぎたら良くないことくらい誰でもわかっていることです。サプリメントを扱う人も特に単独の栄養素の摂取量くらいは栄養学レベルの常識を身に付けることが重要です。

また、「~良い」となると積極的にその栄養素を試してみる。悪いことではないが、日本では栄養学の知識が中途半端に高くなっているので、これも勘違いとう非効率性を生みます。

あるネットワークビジネスの会員主催のセミナーで特別講師として招かれたときに、私の話の前にそこの会社の製品説明とその製品に関わる栄養学の話をディストリビューターの方が行っていました。そこでリコピンついて、「前立腺ガンの予防にリコピンが効果的と言われていますが、トマトのリコピンなのか、ニンジンのリコピンなのか、ピーマンーのリコピンなのか、一人一人その人によって鍵と鍵穴が合う合わないほどのレベルで違いがある」という話を理論的にされていました。つまりトマトのリコピンだから良いというのとその人のその病気の予防になるリコピンは別のものかもしれないという、乳酸菌もそうであるように、人間の個体の個性を理解すれば、できるだけあらゆるものを食べることの重要性が単純にわかるのです。(後)に続く