1986年、私が分子栄養学をスタートさせたとき最初に頭をよぎったのが、ピアノや電子オルガンの先生方の多くが体調を悪くされていたという事実。

教室でもご自宅でも教えていたため夏などは一日中冷房に当たっている環境であったことも原因としては大きく、自律神経が原因とも思われました。その当時は、まだ自律神経失調症というものが患者に対して原因がわからず、病名をつけないと都合がわるいために使われていた病名でした。


しかし私が疑問に思ったのは、電子オルガンの先生に限って「流産」が多かったことです。これはピアノや他の楽器との違い、とくに電子オルガンには鍵盤ペダルがあり、そのベース音から何らかの影響があるのでは?と考えました。あるいは、方足(右足)のみ使うのでそれも関係しているのか(曲と機種によっては両足を使うこともある)と物理的な面も含めていろいろ考えたものであった。


当時のいろんなデータや資料を駆使して、師匠(NPOがんコントロール協会森山理事長)の意見も仰ぎ、ホルモン分泌の調整、胎盤の血行、子宮運動の正常化を目的にビタミンE(USAから直輸入した天然小麦胚芽油を主原料)でトライしていただいたところ、一回目流産した人12名中、2度目の出産を無事終えられた人が8名であった(2度目も流産で3度目OKも含む)。この結果は対象者が少ないと言えども、当時の岩手医大やスイスからの報告資料によるものより高い効果を示した。無対策は実施していません。

果たしてピアノと電子オルガンの差は何であろうか?大きな違いはバス音とペダル鍵盤の有無である。数も問題で「たまたま」であったのか?しかし、数多くの音楽講師と仕事上ご一緒させてもらっていたが、本当に「電子オルガンの先生に限って」であったのだ。

妊娠中における血清中平均ビタミンE量は、妊娠初期100mlあたり1.18mg、妊娠中期同1.35mg、妊娠末期同1.50mg、妊娠10ヶ月目同1.64mg。明らかに初期は少ない。しかし本来の合目性的には、妊娠月数が進むにつれてビタミンEの量が増えていくというところに注目すべきで、胎児を育てるためにビタミンEが必要動員量を多く要するということである。これは妊娠していない場合の血清中のビタミンEの量が0.95mgであることでわかる。

すなわち、対象者の流産したタイミングのビタミンE量は計測していなかったので仮説になるが、流産する人は妊娠したにも関わらず血清中のビタミンEの量が妊娠していない状態のときから増えなかったことが原因であるのではということ。

もう一つは、妊娠中、自律神経の乱れからビタミンE作用の優先順位によって、ホルモン分泌器官や胎盤の働きを助けるために必要なビタミンEの動員が増えなかったと考えたのです。続く