はじめまして、韓国で個人開発者として生計を立てているプログラミングゾンビと申します。私のストーリーを日本の皆様にも共有させていただきたく、この記事を書かせていただくことになりました。拙い翻訳ではございますが、ご理解いただけますと幸いです。なお、この記事は2023年2月3日に私が書いた記事を引用して作成したものです。韓国語で書かれた元のブログ記事は@https://soulduse.tistory.com/106 でご確認いただけます。
私の趣味はアプリ開発です。
暇さえあれば「何を作ったら面白いだろう?」「どんなアプリがあれば便利になるだろう?」「これを作れば収益が出るかな?」と考えて生活しています。最初は自分が作ったもので世の中の役に立てればいいなという漠然とした思いから始まりましたが、アプリをリリースしてみると予想以上に良い副収入が発生し始めました。振り返ってみると、この収益面が私がこの活動を続けられている原動力となり、現在もその原動力は続いています。
なぜアプリ開発の道を選んだのか
この考えを持ち始めてから、早くも5年が経ちました。5年前、漠然と「5年後の自分はアプリ開発でどんな生活を送っているだろう?」と考えたことがありました。それには理由があって、2017年に偶然参加したアプリ開発セミナーで、初めてアプリで収益を得られることを知りました。その中で特に印象に残った開発者の方の話があります。
「5年間アプリ開発を続けていたけど、収益は全くなかった。でも5年が経った途端、1つ2つと当たり始めて、驚くほどの収益が発生し始めた」
という話でした。その話に魅了された当時、私はAndroidもろくに開発できない新人エンジニアでしたが、いわゆる「手探り状態」でアプリを作り始めました。振り返ってみると、技術力も基礎もないまま、ただ問題解決だけに焦点を当て、StackOverflowに依存し、無限にGoogle検索をして何とか形にしたレベルのアプリでしたが、リリース後の反応が予想以上に良く、嬉しく思った記憶があります(この時期は1つのアプリで月3~5万円程度の収益でした)。
実際にどれくらい作ったのか
5年間で153個のアプリをリリースしました。その中には失敗したアプリ(ユーザー数0のアプリ)もあれば、実際のユーザー数が数万人のアプリもあります。始めは「1日1ドルでも稼げるアプリを100個作れば、1日100ドル稼げるのではないか」という漠然とした考えで1つ2つと作り始めましたが、気がつけば150個を超えていました。実際に1日1ドルずつ着実に稼いでくれるアプリも出てき始め、現在では安定した収入(パッシブインカム)となっています。
アプリ開発による収益の良い点
手間がかからない
アプリ開発による収益は、スタートアップレベル以上のサービスでなければ、特に手間がかかりません。私が寝ている間も、食事中も、トイレ中も収益が入ってきます。しかも、追加で何かをする必要はありません。物を販売するように商品を梱包して顧客に発送したり、カスタマーサポートをしたり、在庫管理をしたりする必要が全くありません。これが大きな利点だと考えています。一度構築してしまえば(作ってしまえば)、お金が入ってくるパイプラインが1つ出来上がり、継続的にその通路から収益が発生します。
自分で給与アップが可能
誰もが考えたことがあるのではないでしょうか?例えば、年収400万円の場合、「来年の昇給で450万円(10%以上アップ)になれば良いな」という願望。しかし、実際の給与表を見ると月々の差額はたった3万円程度です。決して給与収入を軽視しているわけではありません。給与は本当に大切で重要ですが、それを上げるためには1年待たなければならず、その1年間本当に頑張って良い成果を出さなければなりません。
しかし、月3万円を追加で稼ぐためには、1日1,000円稼げるアプリを1つ作るだけで良いのです(あるいは1日100円稼げるアプリを10個作れば良いのです)。特別なアイデアも必要ありません。まずは作って、リリースしてみることをお勧めします。このように1つ2つと積み重ねていくうちに、いつの間にか希望する昇給と同じ効果を得られるようになるのです
会社の給料を5万円上げるのは本当に難しいものです。特に日本では終身雇用の考え方が根強く残っており、年功序列での昇給が一般的です。しかし、アプリ開発で月5万円の追加収入を得るのは、思ったほど難しくありません。自分の努力次第で収益化することができます。良いアイデアがあれば、それを開発・リリースして1日1,700円の収益を生み出すアプリを作れば、月5万円の給与アップと同じ効果が得られます。
「それは5年も経験があるからできたんでしょう」と思われるかもしれませんが、むしろアプリ開発を始めて間もない方が収益化に成功した例を多く見てきました。アプリを作れさえすれば、誰でも可能だと考えています。アイデアや企画に自信がなければ、1日100円稼げるアプリを17個作れば良いのです。本当に些細なアイデアでも構いません。実際にGoogle Play Storeで少し検索してみると、驚くほど単純なのに収益化に成功しているアプリがたくさんあります。例えば、シンプルな電卓アプリや、便利な単位換算アプリなど、日常生活で使える基本的なツールでも、適切な収益化戦略があれば十分な収入源となり得ます。
アプリ開発で収益化の観点から感じたこと
丁寧に作れば必ず成功するという錯覚
アプリ開発への情熱が燃え上がっている状態だと、数十のアイデアが浮かび、それを全てアプリに盛り込みたくなります。「自分の趣味をもっと便利にできないか」「コミュニティ機能を入れたら?」「この便利な機能があれば成功するのでは?」と考えます。
実際に私も6ヶ月という長い時間をかけて、職人気質で丁寧に作り込んだアプリがありました。しかし結果は?収益化に失敗し、サーバー代を何とか賄えるか、むしろそのサーバー代も賄えずに赤字になるアプリが生まれました(今でも愛着があって手放せずにいます)。
しかし、本当に軽い気持ちで「これでいけるかな?」と思って1日で作ってリリースしてしまったアプリが、6ヶ月かけて作ったアプリの10倍以上の収益を上げています。しかもサーバーもない状態で作ったアプリなので、収益面では圧倒的なパフォーマンスを見せています。
全ての企画やサービスに正解はないかもしれませんが、最小限の機能だけを作って素早くリリースしてテストすることをお勧めします。そのサービスが上手くいけば、その後で追加機能の開発を約束すれば良いのです。
時期を選ぶアプリは本当に一時的
流行りものアプリは長続きが難しいです。当たり前の話かもしれませんが、一発当てを狙うのであれば良いでしょう。短期間でかなり良い収益を上げることができます。しかし、継続的に長く続けたいのであれば、日常生活で誰もが継続的に使えそうなアイデアでアプリを作るアプローチが良いでしょう。
例えば、コロナが最初に発生した時、世界的に広がりそうな予感がして、ウイルス関連の情報を提供し、関連ニュースを集めて表示し、感染者数も表示するアプリを作ったことがあります(当時はコロナという名称よりも武漢肺炎と呼ばれていた時期でした)。リリースしてみると、Play Storeには私のアプリと他のアプリ2つしかなく、広告を全くしていないにもかかわらず、1日500~1000人という驚異的なダウンロード数を記録しました。
リリースから1ヶ月も経たないうちに、Googleから突然アプリを停止処分されました。理由は国家的災害に関連する情報でアプリを収益化してはいけないというものでした。公益的な目的と共に私の収益的な部分も考えて作りましたが、1ヶ月で966ドルを稼ぐことができました。
常に変化する流行に敏感に反応でき、関心の高い開発者であれば挑戦してみるのも良いでしょう。過去から現在まで振り返ってみると、本当に多くのホットイシューがありました。例)コロナ、ワールドカップ、ChatGPT、画像生成AI など。
アプリ開発は収益の大きな部分を占めない?
これは意外な話かもしれませんが、事実です。私がどんなに良いアプリを作ったとしても、マーケティングが伴わなければ何の意味もありません。アプリを100個作っても、運が良ければその中の1~2個が収益化に成功するかもしれませんが、マーケティングをしなければ誰も私の作ったアプリをダウンロードしてくれません。
収益を占める割合で言えば、アプリ開発が30%だとすると、残りの60%以上はマーケティングが重要だと感じました。開発する時間も足りないのにマーケティングまでしなければならないのかと思うかもしれませんが、やらなければなりません。やらなければ、私の作ったアプリは誰にも届きません。
開発者としての視点から感じたこと
技術力を高めるか VS お金を稼ぐか
アプリ開発をある程度経験を積むと、技術力を高めるべきか、それともお金を稼ぐことに集中すべきかという悩みで夜も眠れない日々が続きました。おそらくこれは個人アプリ開発を始めて1~2年目に訪れる悪夢のような葛藤だったと思います。
当時の私は新人レベルの開発力しかなく、会社での仕事もやっとこなせる程度の駆け出しでした。もちろん最初は個人アプリ開発で、一つのサービスを最初から最後まで作り上げる経験だけでも開発力向上に大きく役立ちました。しかし、ある程度時間が経ってアプリ開発に慣れてくる時期が来ると、自分が技術力向上のために開発しているのか、それとも収益だけを追いかけて開発しているのか、曖昧な状況に陥ります。
そうなると、「今は新人だから技術力を早く上げなければならない時期なのに、小さな収益に囚われて、もう少し頑張れば更に稼げるのではないか」という希望的観測を巡らせながらアプリ開発に没頭してしまいました。そして、技術力が伸びない自分を見て自己嫌悪に陥る、という無限ループの繰り返しでした。
では、どうしたのか?
結論として、広く浅く進むことにしました。その広い範囲の深さは、時間をかければ何とか埋められるのではないかと考えたのです。そしてある日、「アプリ開発だけでなく、サーバーも扱えれば、自分が作れるサービスの範囲を更に広げられるのではないか」という考えが浮かびました。
すぐに行動に移し、会社でAndroid開発のキャリアを積んでいた私は、サーバー開発者への転向を申し出ました。幸いにもその要請が受け入れられ、会社ではサーバー開発者としてのキャリアを積んでいます。そして、もうサーバー開発者に転向してから4年が経ちました。
以前は単純なサーバーレスアプリしか作れませんでしたが、今ではサーバーAPIの開発とアプリ開発を同時にできるので、大規模なトラフィックを処理する必要がある大きなサービスでなければ、1人の開発者でも何でも作れるようになりました。
今でも技術力を高めるか収益を追求するかという悩みは持っていますが、ある程度時間が経って技術力が伴ってくると、会社の業務も個人アプリ開発も大きな無理なくこなせるレベルになり、むしろ会社では「仕事ができる人」に近い状態になったと思います。
いわゆる努力について
実際のところ、上では簡単だと説明しましたが、会社員であれば仕事を終えて家に帰ってから、再びコーディングのためにパソコンを開くのは簡単ではありません。これが最も高いハードルだと考えています。周りの友人やエンジニアの知人に「お金を稼げるからやってみては?」と何度勧めても、誰も始めようとしませんでした。
そのため、この道はとても孤独な道になり得ます。ほとんどの人にお金に関する話を持ち出すと、良くない目で見られたり、自慢していると誤解されたりして、あまり良い反応は得られません。そして上でも述べたように、どれだけ勧めても実際に行動を起こす人はほとんどいません。必然的に一人で黙々と進むしかありません。
そのため、このような話を誇らしく語り合える相手は、現在は愛する妻しかいません。もしかしたら、私がこのような記事を書いている理由も、私と同じような人を見つけたい、あるいはそういう人がいてほしいという思いからかもしれません。
当然、会社の仕事が終わってからさらに開発をするのは大変です。私の場合、今でも週末に個人アプリ開発をしていますが、以前を思い返すと、妻と付き合っていた頃、週末ごとにカフェでデートしようと約束しておきながら、妻が隣にいるのにコーディングをしていました...「デートに来てコーディングばかりするの?」と何度叱られたかわかりません(よく結婚できたものです)。
とにかく、この継続性と努力が重要な部分だと考えています。最低でも1日1回はコーディングをするように努力してきました。その一つの方法として、Githubの草を熱心に生やすことを心がけました。
終わりに
最近は物価も継続的に上昇し、金利上昇に加えて、マイホーム取得も難しい厳しい世の中になっているように感じます。当然、会社からの給料だけでは常に足りないと感じます。そこに「エンジニアの寿命は長くない」という話もよく耳にします。
実際に周りを見渡すと、50代のエンジニアを見つけるのは難しく、40代後半のエンジニアもほとんど見かけません。私はまだ30代半ばなので、まだ時間が十分にあるだろうという考えで、人生を会社にオールインするのは賢明ではないと感じました。
何らかの理由で会社に勤められなくなる状況が訪れても、自立できる環境を予め構築しておくことが、これからの人生をより安定的で良い方向に進められる道だと考えています。そして、運が良ければ収益が急増し、笑顔で会社を卒業する時期が早まるかもしれません。
このような様々な考えと側面が、私がアプリ開発を続ける理由でもあります。エンジニアであれば誰でも、努力次第で自分で収入を得られる良い時期だと考えています。難しく考えすぎる必要はありません。まずはエンジニアとしての能力を金銭的なパッシブインカムに変換する人が増えることを願っています。