千鳥ヶ淵戦没者墓苑 春彼岸参拝
3月25日 千鳥ヶ淵戦没者墓苑にて
〔グアム島で亡くなられた英霊の春の彼岸参拝〕をとり行いました。
グアムから帰還された 星さん(岩手から)、ご遺族、
マリアナ献水会 村瀬会長(名古屋から)、
学生団体NPO法人JYMAの皆様、関係者の皆様、
総勢約50名の方々が参列してくださいました。
黙祷
理事長 挨拶
本日はご多忙の中、大勢の皆様方のご臨席を賜り、
本年も「春の彼岸参拝」をとり行うことができますことを
深く感謝申し上げますとともに、日頃より温かいお心をお寄せいただき、
心より厚く御礼申し上げます。
思えば戦没者の方々は暗黒の過酷な時代に遭遇され、
逃れられない状況の中で、国の運命を背負わされ、
かけがえのない人生を国に捧げられました。
先の大戦においては、240万人の方々が外地で亡くなられました。
昨年、新たに2,337柱が当墓苑に納骨されましたが、
未だ113万人ものご遺骨は戦地に置き去りにされたままです。
とりわけグアム島においては、後方支援が全くないなかで、
絶対国防圏として死守を命ぜられ、米軍の圧倒的な戦力によって
19,000数百余名が玉砕されましたが、
ご遺骨の収容は、全くと言っていいほど手が付けられていません。
日本に帰還したご遺骨は厚労省によるとわずか3%、500柱に留まり、
19,000余名の方々が未だ悲惨なお姿のまま、現地に取り残されています。
7年前に水道工事現場で見つかったにも関わらず埋め戻されたご遺骨は、
昨年5月にようやく掘り起こされましたが、この遺骨と同時期に発見された
アサン洞窟のご遺骨も、グアム政府は一緒に収集することを条件としました。
私たちも強く要望しましたが、雨期を理由に洞窟のご遺骨の収集が
先延ばしにされた結果、このご遺骨は消えてしまいました。
誰がどうして何のために。今も行方は分かっておらず、心が痛むばかりです。
さて昨年4月、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律が通り、
昨年10月に「日本戦没者遺骨収集推進協会」が発足しました。
しかし、その日本戦没者遺骨収集推進協会を構成している12の団体の中に、
グアムの唯一の遺族会である
ピースリング・オブ・グアム・ジャパンは入っていません。
厚労省に早速問い合わせをし、推進協会の専務理事に面会して、
せめて(準)構成団体に加えてもらえないかと、
書面を持参して、強く要望しています。
今の日本の平和と繁栄は、先の大戦で犠牲になられた
310万名の尊い犠牲の上にあります。
感謝と畏敬の念を決して忘れることなく、永遠の平和を願い、
あの悲惨な歴史を風化させずに、若い世代にしっかり引き継いでいくことが、
我々NPO法人設立の強い理念と使命であります。
「ご遺骨のご帰還なくして戦後は終わらない」。
そのことを改めて強く胸に刻み、進んでいく所存です。
本日はグアム島から九死に一生を得て帰還された
軍属の星一男さん(87歳)が、岩手からご出席いただいております。
昨年は帰還兵の小林喜一さん(94歳)と
グアムにご一緒させていただきました。
高齢化が進み、戦争を直接体験した方々の多くが
他界されておられる中にあって、
戦没者に対する慰霊奉賛の心、すなわち遠く離れた過去が
自分の生きる今と繋がっているという感覚を、
誰もが大切にしていくことによって、確実に次の若い世代に
戦争の記憶を引き継ぐことができると信じます。
幸いにも今年に入り、我々のホームページをご覧になった
中央大学法学部の学生さんと面識を持つことができました。
学生の方は来年グアムに行き、
曾祖父様が戦死された戦跡の探索を予定されています。
その曾祖父様は偶然にも、遺骨収集に関する法律の作成に携わられ、
本日ご出席いただいている 佐多あゆみさんの曾祖父様と同じ
54警備隊に所属されていたことを知り、
縁(えにし)がもたらす人の輪の広がりに、身の震えるような感が致します。
今後も皆様方の深いご理解と温かいお心を賜り、
更に奉賛の輪が広がりますよう
心からご支援を切にお願い申し上げる次第です。
終わりに、英霊のご冥福と、皆様方のご多幸を
心よりお祈り申し上げ、挨拶といたします。
平成29年3月25日
NPO法人ピースリング・オブ・グアム・ジャパン
理事長 松本平太郎
顧問挨拶 (衆議院議員 土屋正忠様代理 秘書 秋山敏行様)
土屋先生は硫黄島での慰霊祭に行かれていたのでご欠席でしたが、
秘書の秋山様から代読でご挨拶をいただきました。
紹介 内閣総理大臣補佐官 衛藤晟一参議院議員 秘書 柴原佳史様
千鳥ヶ淵戦没者墓苑 常務理事 山崎文夫様 ご挨拶
1年間の活動報告
合唱・献花
献奏 尺八 門傳良男師 お弟子さん
ハーモニカ 竹内克好氏
式典後、懇親・報告会を行いました。
会場設営にご協力いただきました大勢のJYMAの学生の皆様
撮影をしてくださいました福井様誠にありがとうございました。